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サムスン、合併1カ月前から「チョン・ユラ22億円支援」計画していた

登録:2017-01-10 01:30 修正:2017-01-10 05:45
2015年6月、大韓乗馬協会中長期ロードマップを作成 
チェ・スンシル側のパク・ウォノ元専務が作成した文書を基に 
支援対象にチョン・ユラ含め、ドイツで訓練 
コンサルティング会社の選定も同じ…チョン・ユラに合わせた計画
サムスン物産・第一毛織の合併に国民年金が賛成する見返りにチェ・スンシル氏親子に巨額を支援したという疑いを持たれているサムスン電子のイ・ジェヨン副会長とチェ・スンシル氏=イラスト//ハンギョレ新聞社

 サムスン物産と第一(チェイル)毛織の合併が実現する1カ月前の2015年6月、サムスンがチェ・スンシル氏の娘チョン・ユラ氏に228億ウォン(約22億1千万円)を支援する内容の計画案が、大韓乗馬協会レベルで作成されていたことが確認された。サムスンは2カ月後の同年8月にチェ氏側と実際に220億ウォン台の支援契約を結んだ。

 当該計画案は、共に民主党のパク・ヨンソン議員が先月公表した乗馬協会五輪企画チームの中長期ロードマップ(318億ウォン規模)よりも作成時点が早く、チェ氏側でサムスンの乗馬支援計画などを主導したパク・ウォノ元乗馬協会専務が作成したとされる。

 サムスンはこれまで「2015年7月、サムスン物産の合併が実現し、それ以降にはチェ氏に請託する必要がなかった」と主張してきたが、合併前にもサムスンが実際にチョン氏を支援した内容と類似した計画があったことが明らかになったことで、サムスンとチェ氏、朴槿恵(パク・クネ)大統領の間に賄賂性の関係があったことを立証する重要な証拠になるとみられる。

 9日、ハンギョレが共に民主党のト・ジョンファン議員室を通じて入手した「韓国乗馬中長期ロードマップ-基本計画案」は2015年6月12日に乗馬協会が作成した。五輪とアジア大会、世界選手権大会など様々な乗馬大会の出場権とメダル獲得に向けて、優秀な選手を選抜し集中支援するという内容だ。乗馬協会は計画の作成、その他の業務を担当し、サムスンは選手団の支援と管理、海外業務などを引き受けることにした。計画は乗馬協会が立て、資金はサムスンが出すことになっていたのだ。パク元専務が作った草案は無修正で乗馬協会の計画案に反映された。

 計画案は2カ月後の2015年8月、サムスンがチェ氏がドイツに立ち上げた会社であるコレスポーツ(ビデクスポーツに改名)と交わしたコンサルティング契約書と選手団の構成及び全体予算、馬匹購入計画など、主な内容がかなり重なる。特に「公式運営専門代理店」を選定し、ドイツや国内などの選手団の訓練および馬匹管理などを任せることにしたが、これは当時チェ氏がドイツに設立を推進していたスポーツコンサルティング会社を念頭に置いたものとみられる。

 計画によると、「馬場馬術」と「障害物」分野で各3人ずつ合わせて6人の選手を選抜することにしたが、支援対象は乗馬協会会長を務めるサムスンが選抜委員会を設置して選抜することにした。2014年の釜山(プサン)アジア大会で金メダルを受賞したチョン・ユヨン(チョン・ユラ)氏が馬場馬術分野に含まれた。チョン氏のメイン種目の馬場馬術の場合、2015年8月からドイツに出国して練習を行うことにした。チョン氏は2015年5月に出産した後、出国して7月からドイツに滞在した。事実上、チョン氏に合わせた計画を立てたのだ。サムスンとビデクの契約も、乗馬選手6人を支援対象としているが、サムスンが昨年9月に契約を破棄するまで、恩恵を受けた選手はチョン氏だけだった。

 支援予算は2015年から2018年まで約228億ウォンが策定され、追加で2019年と2020年にそれぞれ32億ウォン(約3億1千万円_)と20億ウォン(約1億9千万円)を策定した。馬場馬術や障害物の選手たちにはそれぞれ馬2頭ずつを支援することにし、訓練用馬には約50万ユーロ、試合用馬には100万ユーロを策定した。これは、サムスンとビデクとの契約内容と同じだ。

 特に文書作成当時、乗馬協会長がサムスン電子のパク・スンジン社長であり、文書作成者は長い間、チェ氏側と関係を結んできたパク元専務という点が注目される。サムスンに数百億ウォン台の負担を負わせる計画案を協会長のパク社長が知らなかった可能性は低く、パク元専務とパク社長は何度も会って、チェ氏側に対する支援を協議した関係だ。

 特検は現在、チェ氏がサムスン物産の合併を手伝う見返りに220億ウォン台の乗馬支援を引き受けたとみて、捜査を進めている。

チェ・ヒョンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

訳H.J(1817字)

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