3日のろうそく集会を経て、セヌリ党の非朴槿恵系が弾劾案の採決に参加する方針に傾いたことで、共に民主党など野党内部でも「弾劾案の可決は可能」という雰囲気が広がっている。先週「2日に採決」を推し進めた当時、民主党など野党に広まっていた「否決も辞さない」との主張は目に見えて減った。ウ・サンホ民主党院内代表は4日、「可決するかどうかを悩むのは意味がない。すでに野党3党が弾劾案を共同発議した瞬間、戻る道は断ってしまったのだ」と言い切った。また、別の主要幹部も「非朴系はひとまず、弾劾案の表決に参加することにしたので、彼らを説得して必ず可決させるのが目標だ」と話した。
野党のこのような雰囲気には、セヌリ党が「4月に退陣-6月に大統領選挙」を大統領府に建議することにしたが、首都圏だけでなく、慶尚道などセヌリ党の支持基盤でも「即刻辞任」と「弾劾」を要求する声が週末のろうそく集会で激しく噴出したことが影響を及ぼした。共に民主党のキ・ドンミン院内スポークスマンは「非朴系はただならぬプレッシャーを感じているだろう。私たちがもう少し努力すれば、弾劾案の可決に必要な非朴系の票は確保できる」と話した。非朴系の議員が多い釜山(プサン)のある民主党新人議員も、「3日、釜山のろうそく集会に集まった人が歴代最大の20万人だ。朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉ある退陣のために、政治的な後遺症を甘受する理由がない非朴系議員としては、再選のためにも、弾劾に参加するしかないだろう」との見通しを示した。実際、同日夕方、セヌリ党非朴系の集いである非常時局委員会が、事実上9日の弾劾案の採決に参加することを決めたことで、野党陣営の楽観ムードは一層強まった。
共に民主党など野党指導部は、非朴系を狙った硬軟両様の戦術を駆使する方針だ。公開的に弾劾への賛成を圧迫する一方、常任委員会・地域・当選回数別のチャンネルをすべて稼動し、非朴系議員らに“マンツーマンの説得作業”に乗り出すということだ。共に民主党のユン・グヮンソク首席スポークスマンは「非朴系が弾劾案の採決に参加すると発表しておいて、投票で反対票を投げるのは名分が弱い。誰よりも非朴系自らがよく知っているだろう。水面下の接触を増やして、“ろうそく集会の民心”をテコに公開的な圧力も続ける」と話した。
しかし、共に民主党内部には「大統領選挙の戦略レベルで弾劾案の否決も悪くない」として“否決も辞さない”という立場も依然として根強い。弾劾案が否決されれば、怒ったろうそく集会の民心は、野党ではなく、“弾劾反対勢力”のセヌリ党に集中して“再起不能”のダメージを与えるという論理だ。主流派のある新人議員は「なぜ私たちが否決を恐れなければならないのか。否決されれば、セヌリ党は大統領選挙で壊滅的打撃を受けるから、私たちにとっては全く悪くない状況だ」と語った。
指導部はしかし、「可決に最善を尽くす」方針を固めている。弾劾案が否決された場合は、その余波がセヌリ党だけでなく、野党にも押し寄せかねないと見ているからだ。民主党の内部には「政党の役割を放棄し、ろうそくだけを頼りにする消極的な態度に終始した」という批判に加えて、否決された場合、弾劾の推進過程で政治力を発揮できなかった指導部にも責任を問うべきだという雰囲気が少なくないのが事実だ。“筆頭株主”の文在寅(ムン・ジェイン)元代表が「弾劾案が否決された場合は、議員辞職する覚悟で取り組まなければならない」と釘を刺したのも、指導部には負担になっている。
セヌリ党の主流と大統領府側が準備する“否決以降の戦略”にも野党は神経を尖らせざるを得ない。弾劾案が否決されても、セヌリ党は「国民が望む早期辞任を貫いた」と主張しながら、長期戦に乗り出すことが確実であり、この場合、与野党が退屈な対立を続けている中、政界全体が“大統領選政局”に引きずり込まれる可能性が高いからだ。ある民主党の幹部は「可決にすべてをかけなければならない。(否決に備えた)“プラン-B”を準備する余力はない」と話した。