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[ニュース分析]非朴系「弾劾回帰」の背景は何か?

登録:2016-12-04 23:28 修正:2016-12-05 06:52
さらに大きく燃え上がったろうそくに驚いた非朴系 
大統領の立場表明に関係なく表決 
休日午後の4時間マラソン会議 
「民心を受け入れざるをえない 
“弾劾阻んだ集団”烙印捺される憂慮」
セヌリ党非朴系の非常時局委員会が4日国会議員会館で開いた総会で、ユ・スンミン前院内代表(後列一番左)など出席者が国民儀礼を行っている。前列左からチュ・ホヨン、キム・ジェギョン、キム・ムソン、シム・ジェチョル、チョン・ビョングク議員=イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

「市民の弾劾メール殺到も影響、返信1000通送ったという議員も」

 進退問題を“与野党合意”に押し付けた朴槿恵(パク・クネ)大統領の3回目の談話と、野党勢力の“9日に弾劾案採決”の間で右往左往していたセヌリ党非朴槿恵系(非朴系)が4日、ついに弾劾の道を選択した。3日、広場と街頭にあふれた“232万のろうそく民心”が、弾劾政局の“キャスティングボート”を握るセヌリ党の非朴系を“弾劾への参加”に導いたと見られる。

 週末ろうそく集会の直前までは、セヌリ党非朴系が弾劾に参加するかどうかは不透明だった。セヌリ党が1日「4月に朴大統領退陣、6月に大統領選挙」との党論決定に参加し、金武星(キム・ムソン)前代表を中心に「朴大統領が辞退の日程を明らかにすれば弾劾は必要ない」という意見が多かったためだ。だが、朴大統領の3回目の談話(11月29日)に非朴系が同調したことに対し怒った民心を確認すると、非朴系の態度は変わった。

 4日、非朴系が集まった非常事態委員会会議に参加したある再選議員は、ハンギョレとの電話インタビューで「民心を受け入れないわけにはいかなかった。もし、私たちが7日まで時間がかかれば鮮明性が弱まり、私たちが親朴系とともに弾劾を阻もうとする集団との烙印を捺されかねない政治的状況を考慮した」と説明した。ファン・ヨンチョル非常事態委代弁人も「ろうそく集会で、大統領は直ちに辞退しろという国民の意思がまったく変わっていないことを確認した。今は主権者である国民の命令を敬い、国民が早く日常に復帰できるようにすることが最優先だ」と判断の背景を説明した。イ・ヘフン議員は電話インタビューで「インターネットにセヌリ党議員の電話番号が公開され、国民からのショートメールがあふれたことが立場の変化に影響を及ぼした」と話した。イ議員は「○○の母、××アパートの住民だとして送られたショートメールを見ると、動員されたわけでなく純粋な市民の意思が感じられて胸が熱くなった。他の議員も1000通も返信のメールを送ったと聞いた」と話した。

 野党が推進する9日の国会表決で弾劾案が否決されれば、それによって引き起こされる爆発的な逆風も考慮された。チャン・ジェウォン議員は「弾劾案が否決されれば、想像もできない国家的混乱の中で大統領府はもちろん最後に残った選出権力の国会までが無力化されることが明らかだ。そうした状況を放置することはできない」と話した。

 4時間近くにわたり行われた会議の雰囲気と関連して、ファン・ヨンチョル議員は「討論途中で異議の提起があったが、その理由も、より多くの賛成票を集めるために大統領の立場発表を待ってみようというものだった。最終意見の集約には異議提起がなく、全員一致だと見て差し支えない」と明らかにした。この日の非常事態委会議に参加した現役議員は、金武星、ユ・スンミン、シム・ジェチョル、チョン・ビョングク、チュ・ホヨン、キム・ジェギョン、イ・ジョング、キム・ヨンウ、キム・セヨン、キム・ソンテ、クォン・ソンドン、ハ・テギョン、パク・インスク、チョン・ヨンギ、チョン・ヤンソク、ユ・ウィドン、イ・ハクジェ、キム・ハゴン、オ・シンファン議員など29人だった。野党3党と弾劾に賛成する無所属議員を合わせれば172人で、弾劾案の可決にはセヌリ党から28人以上が賛成票を投じなければならない。ファン議員は「今日の会議に出席しなかった方たちもいるので、弾劾案可決の定足数は十分満たすと見られる」と明らかにした。

 この日、非朴系の“弾劾回帰”で、今後の重要なポイントになると見られていた朴大統領の退陣日程の発表も、弾劾の採決には大きな影響を及ぼすことはないと予想される。ユ・スンミン議員は「大統領の発表が、その内容によっては与野党の交渉に役立つことはありうる。だが重要なのは、与野党の合意であり、その合意ができなければ弾劾に進む」と明らかにした。チョン・ビョングク議員は「野党がすでに交渉を拒否している状況で、大統領の立場発表には意味がない。同じ脈絡で、私たち非常事態委員会が大統領の3回目の談話以後に整理した立場もすでに効力を失っており、弾劾に参加することが正しいとの意見を述べた」と明らかにした。

 セヌリ党の脱党派は、非常事態委会議に先立って記者会見を行い、非朴系議員に対して弾劾に積極的に加わるよう圧迫した。キム・ヨンテ議員は「朴槿恵大統領が職務停止されなければ、あらゆる手段を動員してパク・ヨンス特別検察官の活動を妨害するだろう」と話した。

ユン・ヒョンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/773242.html 韓国語原文入力:2016-12-04 22:26
訳J.S(2179字)

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