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[社説] 230万のろうそくの叫びは弾劾可決のみだ

登録:2016-12-04 23:16 修正:2016-12-05 06:38
朴槿恵大統領の退陣を要求する6回目の週末ろうそく集会が開かれた今月3日午後、ろうそくに照らされたソウル光化門広場の後に寂寞とした姿の大統領府が見える=共同取材団//ハンギョレ新聞社

 史上最大規模のろうそくの灯りが先週末、ソウル、釜山、光州、大邱など韓国全土を明るく彩った。ソウル・光化門だけで170万人が集まるなど全国で230万人余り(主催側推算)が集会に参加したという。1週間前に比べて参席者が減るという予想はまったくはずれた。理由は明白である。大統領府と政界の政略的な妥協案探しに市民が怒ったためだ。民意は、朴槿恵(パク・クネ)大統領の即時退陣を望んでいるが、政界、特にセヌリ党の非大統領系の議員は「来年4月の退陣」や「秩序ある退陣」などという言葉で国民をごまかそうとしているからだ。国民は「大統領弾劾案可決」以外には他のどのような選択や代案も受け入れないだろうということを、大統領府と国会はともにはっきり認識すべきである。

 今回の6回目のろうそく集会は参加者が数万人増えただけではない。さまざまな面から以前の集会とは違っている。主要スローガンは朴槿恵「下野」から「直ちに退陣」に変わっている。「セヌリ党解体せよ」というスローガンも非常に広範囲で共感されている。祭りのような雰囲気は相変わらずだが、以前よりはるかに強い怒りが感じられた。汝矣島のセヌリ党の本部に懸けられた「国民の皆様申し訳ありません」という垂れ幕は市民が投げた卵で汚され、セヌリ党のロゴが描かれた赤色の大型旗はズタズタに裂かれた。国民の怒りは大統領府だけでなく、弾劾を躊躇して、むしろ大統領にリハビリの機会を与えようとしているセヌリ党に向かっていることを示している。この巨大な怒りの標的は野党もまたしかりである。

 セヌリ党は相変らず「4月退陣-6月大統領選挙」を主張して朴大統領が公開の場で退陣を約束をするよう願っている。この程度で弾劾から逃れて、大統領選で再び執権するための準備台を用意するという浅はかな計算である。一度弾劾に賛成した与党内の非朴系の議員のうち一部は大統領に会って直接説明を聞いてみようという主張にまで広がっている。大統領の嘘にあれほどだまされても、未練を捨てることができない。しかし全く悔いていない「犯罪者を今直ちに断罪せずに猶予期間を与えるというのは、また新たな犯罪の機会を与えるのと同じだというのが国民の考えである。はるかに荒々しく燃え上がったロウソクの炎は、非大統領系に対する歴然たる警告であり、これ以上ふらふらせず弾劾の隊列に明確に加われという圧力だ。犯罪者の統治をこれ以上わずか一日でも許せないという叫びが、「無秩序な要求」であるはずはない。むしろ憲法と法律を蹂躪した大統領を直ちに弾劾することが「秩序ある収拾」である。

 野党もまた世論をまともに読み、いかなる妥協案の誘惑にも揺れてはいけない。野党が先週見せた姿は国民を失望させるに充分だった。野党は代議機関である国会を代表して現時局を収拾せねばならないという義務感も感じるだろう。しかし真の代議機関ならば、国民の声をそのまま汲んで憲法にともなう政治的手続きを進めるのが正しい道である。朴大統領が任期を数か月短縮して「名誉をもって」退くのを見ようと、寒中に数百万人が街頭でロウソクの灯りを携えているのではないということを野党は肝に銘じなければならない。

 先週末、光化門には416個のたいまつが燃え上がり、大統領府へ向かう行進を先導した。その数はセウォル号の惨事の日を象徴すると同時に、ロウソクの灯りはより大きなたいまつに変わってきていることを意味する。230万のろうそくの灯の叫びはただ一つ「弾劾案可決」だ。国会と与野党はこの要求を満たさねばならないはずだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2016/12/04 16:41

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/773198.html 訳T.W

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