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未練断ち切れない大統領府「弾劾まではまだ時間が…」

登録:2016-12-05 00:14 修正:2016-12-05 06:48
朴大統領、採決前に4回目の談話発表を検討 
依然として「名誉ある退陣」に未練
朴槿恵大統領の退陣を要求する6回目の週末ろうそく集会が開かれた今月3日午後、ろうそくに照らされたソウル光化門広場の後に寂寞とした姿の大統領府が見える=共同取材団//ハンギョレ新聞社

 セヌリ党非朴槿恵系(非朴系)が4日、朴槿恵(パク・クネ)大統領の「退陣時期」と関係なく、弾劾に参加する意思を明らかにしたことで、朴大統領の今後の動きに注目が集まっている。当初、朴大統領は“弾劾阻止”のためにセヌリ党の非朴系と面談などを行い、「4月に退陣-6月に大統領選挙」というセヌリ党の党論を尊重するという見解を示す計画だったが、議員らが面談を拒否すると“公言”しており、さらに身動きが取れない状態になった。

 大統領府は同日、セヌリ党の非常時局委員会の「弾劾への参加」記者会見について公式の反応を示さなかった。当初、大統領府は、与党の非主流議員らが朴大統領に「7日午後6時」までに「4月に退陣-第1線からの後退」の立場を公式化するよう要求しただけに、朴大統領が立場を直・間接的に表明できるように、議員らとの個別面談や記者懇談会、国民向け談話などを推進する方針だった。しかし、非朴系議員らが電撃的に「弾劾に賛成」する方向に旋回したことで、(大統領府の)対応方向も修正を余儀なくされることになった。

 ただし、大統領府は同日、非常時局委員会の出席者の間でも“異見”があったということに注目し、「7日午後6時」という立場表明の時限と関係なく、9日の弾劾案採決前に朴大統領が自分の立場を直接明らかにする案を検討しているという。大統領府は同日、非常時局委員会で「朴大統領の立場表明を待ってみよう」という意見もあっただけに、朴大統領が直接、セヌリ党の党論を尊重するという立場を明らかにすれば非朴系内部に“亀裂”が入る可能性もあると計算している。また、非朴系議員らに個別に接触し、様々な方法で「名誉ある退陣」のための説得に乗り出すものとみられる。大統領府関係者は、ハンギョレとの電話インタビューで「まだ9日まで時間が残っている。大統領がさまざまな方法を検討しているようだ」と話した。

 しかし、朴大統領がろうそく集会の民心を再び振り向かせるほど画期的な対応策を出せるかは疑問だ。これまで「チェ・スンシル国政壟断」波紋が朴大統領の弾劾の動きにまでつながったのは、朴大統領の“後手後手の対応”が主な原因とされてきた。朴大統領は、事態の初期に「第1線からの後退」、「責任首相の任命」、「挙国中立内閣の構成」など野党の要求を広く受け入れたことは一度もなかった。むしろ前言を翻し、逆攻勢に出る姿を見せ、ろうそく集会の民心を刺激してきた。国会に首相を推薦してほしいと要請したにもかかわらず、「憲政の秩序を崩壊させるわけにはいかない」として国政の主導権に対する強い意志を表明した。100万人がろうそく集会に参加した11月12日を起点に、世論が朴大統領の弾劾に急激に傾いている状況でも、「LCT不正事件の厳しい捜査」などを指示し、国政復帰への意欲を示した。検察が朴大統領を「チェ・スンシル国政壟断」の共犯として立件したにもかかわらず、朴大統領は検察の事情聴取に応じるという約束を覆し、国会が推薦する首相も拒否するという考えを示唆した。結局、朴大統領の退陣を要求するろうそくの炎が“野火”のように広がった後になって、「進退問題を国会の決定に委ねる」として責任を国会に押し付けた。

 朴大統領の即刻退陣を求める今月3日のろうそく集会には、憲政史上最大規模の232万人が集まって「朴大統領の弾劾」と「即時辞任」を叫んだ。朴大統領自ら“弾劾の松明”を招いたのだ。

チェ・ヘジョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/773247.html 韓国語原文入力:2016-12-04 22:31
訳H.J(1644字)

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