韓国軍当局が韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結を控え、突然独島(日本名・竹島)防御訓練を延期した。日本に対する弱腰の屈辱的協定との批判が提起されている。
政府関係者は22日、「海軍が24日、独島防御訓練を実施する計画だった」として、「ハン・ミング国防部長官などにも報告し、予定通りに実施する計画だったが、先週、突然延期された」と話した。同関係者は「海軍が突然延期したのは、上層部の指示によるものと聞いている」と付け加えた。同関係者は上層部がどこなのか具体的に明らかにしなかったが、国防部と大統領府を指すものと思われる。彼は「独島防御訓練計画が協定締結前にマスコミ報道されれば、韓日間の論議になりかねないと懸念を示したと聞いている。政府がそれを意識して弱腰の対応に出たもの」と話した。
独島防御訓練は1986年から日本の海上自衛隊など外部の侵略を想定して毎年2回実施されている定例訓練だ。海軍を主軸に海兵隊と海洋警察が参加する。今回も、例年同様、駆逐艦など艦船約10隻やヘリなどが参加する予定だった。日本はこれまで独島防御訓練の度に「竹島(独島)領有権の侵害」だとして敏感に反応するなど、抗議を続けてきた。
政府が独島防御訓練を延期したのは、GSOMIAの締結を控えて韓日間の摩擦を避けようという判断によるものとみられる。政府は先月27日、韓日交渉の開始を発表してから、17日には次官会議、22日には国務会議議決、23日の協定締結まで、一瀉千里に協定の締結を進めている。
政府による韓日GSOMIAの強行については、「朴槿恵(パク・クネ)・チェ・スンシルゲート」による政局混乱の中、国民多数の反対を押し切って進めたことに対する批判世論が高まっている。18日に発表された韓国ギャラップの世論調査の結果、反対が59%で、賛成(31%)を大きく上回った。独島防御訓練の延期で弱腰の屈辱協定という汚名が加えられるものとみられる。
海軍関係者はこれに対して「当初23~25日に海上機動訓練が予定されていたが、そのときに独島防御訓練を行うことを計画していたのは間違いない。しかし、気象悪化が予想されており、また「延坪島砲撃挑発」6周年を迎え、北朝鮮に備えるための態勢に集中するのがよいと判断し、独島防御訓練を12月に延期した」と釈明した。