昨年12月28日に発表された日本軍「慰安婦」問題韓日合意(12・28合意)と関連して、主務長官であるユン・ビョンセ外交部長官が「3カ月間の追加交渉」を要請したが、朴槿恵(パク・クネ)大統領がこれを受け入れなかったことが、今になって伝えられた。12・28合意を大統領府が主導したという指摘は当時からあったが、外交部長官が現在の内容通りに妥結・公表することに「事実上反対」したという証言が出たのは初めてだ。
12・28合意の交渉・妥結過程に詳しい政府関係者は21日、「ユン・ビョンセ長官が『3カ月だけ時間の余裕をもらえれば、改善された合意を引き出せる』と大統領に要請したが、聞き入れてもらえなかった」と語った。同関係者は「大統領がユン長官の追加交渉要請を受け入れず、12・28合意の妥結・発表を強行するよう指示した理由は、私にもわからない」と付け加えた。政府の別の関係者は「ユン長官が今の12・28合意内容のまま交渉を終えて発表することに否定的だったのは事実」だと話した。
このような証言は、主務長官までが「十分ではない」と判断したにもかかわらず、朴大統領が12・28合意の妥結・発表を一方的に推し進めたという意味だ。しかも、12・28合意からこれまで、合意の解釈をめぐる韓日政府のあつれきが続いており、国内的にも再交渉世論が半数を上回っていることから波紋が予想される。
これに対して外交部当局者は「そのような話は聞いたことがない」と否定した。しかし、12・28合意直前の状況は、外交当局の「追加交渉」判断を押しつぶした「見えざる手」が働いたことを裏付けている。例えば、昨年12月15日、東京で開かれた11回目の慰安婦「被害者」問題に関連した韓日局長級協議後、外交部当局者は「(次回の協議は)年内は厳しいのではないかと思う」として、「2015年内の妥結は不可能」との判断を示した。しかし、この直後のイ・ビョンギ当時大統領秘書室長と谷内正太郎・日本国家安全保障局長の「秘密交渉」で事実上妥結したという。
主務省庁の長官の意見を無視して、公式合意文もなく両国の外交長官の記者会見で済ませた合意発表の悪影響は大きい。日本の安倍晋三首相は12・28合意の直後、これまで公の場で「お詫びと反省」に言及したことは一度もなかっただけでなく、韓国政府が水面下で要求した「慰安婦被害者宛のお詫びの手紙」も「毛頭考えていない」(10月3日、衆議院予算委員会)と"暴言"するなど、態度が日増しに頑なになっている。
韓国語原文入力:2016-11-21 21:16