登録 : 2016.11.18 02:08 修正 : 2016.11.18 08:08

依然として大統領府にアングル合わせる文化放送(MBC) 
社内掲示板に恥辱感・惨憺たる思いを吐露 
取材現場で侮辱と冷遇受けるのが常 
国政壟断報道惨事に責任者は沈黙 
労組、「次期社長は政治的独立が必須」

文化放送のパク・ソンジェ解職記者が16日午後、ソウル上岩洞の文化放送本社前で公正な放送を求める1人デモを行っている=キム・チョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社
 陰の実力者の国政壟断事態でメディアの取材競争が熱い中、依然として大統領府にアングルを合わせ続ける文化放送(MBC)の記者たちにとっては、取材現場が恐怖だ。市民たちの「お前たちは何しに来たんだ、いますぐ消えろ」「給料をもらっているのが恥ずかしくないのか」という侮辱と冷遇に追いやられるのが常だからだ。2年前に汝矣島(ヨイド)を離れ、上岩洞(サンアムドン)の超現代的ビルに本社を移し「上岩洞時代」を開いたが、多くの職員たちは「見かけ倒しの」の抜け殻だと無力感に陥っている。権力を鋭く批判した番組「ニュースデスク」や「PD手帳」などの名声を取り戻すには、既にもう遠すぎるところまで来てしまい、回復できない道に入ったのではないかという懸念も出ている。

 12日、100万人が集まった光化門(クァンファムン)のキャンドル集会でも、文化放送はロゴなしの中継チームのバスから「MBC」のタグを外したマイクを持って報道した。しかし報道内容は不十分であり、ニュースも8件にとどまった。この日、一部の総合チャンネルでは、キャンドル集会の間中生中継を流し、地上波チャンネルのSBSと韓国放送(KBS)も特集を組み、それぞれ34件、19件報道した。

 16日、ソウル上岩洞の文化放送本社前で「大統領府の放送を中断せよ」と1人デモに立ったパク・ソンジェ記者(解職)は「2008年のキャンドル政局の時、取材現場に出れば文化放送の記者たちに市民は『お疲れ様』と声を掛け、飲み物を差し入れてくれることも多かった。体は疲れたがやりがいのある時代だった」と言い、隔世の感とともに惨憺たる心情を吐露した。当時文化放送は、米国産牛肉の安全性を問題視した「PD手帳」や政府の政策を批判するニュースで視聴者から大きな反響を受けた。韓国記者協会が毎年実施する世論調査で、文化放送は2010年まで放送としては信頼度1位だったが、2013年以後は順位がわからないほど下位になった。

12日、光化門キャンドル集会で「MBC」のタグを外したマイクを持って報道する文化放送記者=文化放送よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社
 最近文化放送の報道局掲示板には、視聴率3%台の「ニュースデスク」の落ちぶれを取り上げ、「こうなるために記者になったわけじゃない」という恥辱感や惨憺たる思いを吐露する書き込みが相次いだ。「とても辛く、とても悲しい」「何も取材できない現実がさらに虚しい」「『放送もしないのに何のために撮るのか』という市民の冷笑と嘲弄が胸をえぐります」。記者たちは時代の罪人にでもなったかのように苦しい心情を噴出させながら、取材力の復元のために非報道局に追いやられた先輩後輩、仲間の復帰と責任者の退陣を要求しているが、会社側は無回答だ。全国言論労組の文化放送本部・民主言論実践委員会のイ・ホチャン幹事は「韓国放送やSBSはチェ・スンシル国政壟断事態の『報道惨事』に対して報道責任者が謝罪したり、責任について言及したが、文化放送は依然として沈黙している。2日の補職幹部のワークショップでも報道関連の話はなかった」と明らかにした。彼らは数々のスクープを飛ばすJTBCを見ると特に骨身にしみるという。時事教養局のあるプロデューサー(PD)は「情報提供はメディアに対する信頼を土台としているが、我々が信用されていないためそちらに流れている」と虚しさを表した。

 メディア界や学界では、文化放送の未来について時間が経つほど悲観的になっている。継続的な入れ替えで優秀な人材が数多く追い出され、これによる内部の葛藤がどんどん積み重なっているという。2012年のキム・ジェチョル社長体制以降、解雇、懲戒、左遷された職位を埋めた人員が4年間で100人近くいる。経営陣は不公正な報道などに抗議する者を審議室など非取材部署に追いやり、空いた席を引き続き試用やキャリア記者やプロデューサーで埋めた。批判気質のあるジャーナリストを順応するよう飼い馴らした。悪貨は良貨を駆逐するということだ。大邱大学のキム・ソンヘ教授は「メディアは徹底して人材産業だ。文化放送はキム・ジェチョル社長以降、めちゃくちゃな人事で埋め尽くされ、メディアが権力を監視する役割よりも上の人間の機嫌をうかがうような組織文化に変わった。職場の文化が大きく壊れ、短期間で彼らが持っていた創造性を取り戻すことは容易でないだろう」と見通した。

 健康的な組織文化を取り戻すためには、政治的に独立したメディア各社のトップが切実に求められる。文化放送のアン・クァンハン社長の任期は来年2月までだ。社長の交代時期に幹部らは誰の側に立つか顔色をうかがい、報道については後回しという評価がほとんどだ。言論労組文化放送本部チョ・ヌンヒ本部長は「文化放送を骨抜きにした者は社長と報道本部長など経営陣だ。挙国中立内閣が発足すれば国政壟断を幇助・放置した共犯であるメディア、特に韓国放送や文化放送のトップをそのまま置いてはならない。中立化しなければならない」と主張した。政権に振り回されないメディアのために、次期社長の選任から絶対多数性を適用できるよう公共放送の支配構造の改善案を盛り込んだ放送法の改正案が早急に可決されなければならない理由だ。

ムン・ヒョンスク先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-11-17 21:07
http://www.hani.co.kr/arti/society/media/770800.html 訳M.C(2507字)

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