2日、現代自動車は製品不良隠蔽疑惑を米国交通当局とメディアに対して情報提供したキム・某部長を解雇したと明らかにした。
現代自動車は10月24日に開かれた懲戒委員会で、キム氏が会社の資料を無断で持ち出し外部に流出し、この資料を返還しろとの要求に従わなかったことを明白な社規違反だと判断し、解雇を決めたと明らかにした。現代自動車はこれに先立って「キム氏が業務遂行中に取得した経営上の情報、技術上の情報、研究開発に関する情報を漏洩したり公開しない義務があるにもかかわらず、公益情報提供とは関係のない第三者のみならず特定インターネットサイトに会社の内部資料をそのまま転載するなど、無分別に外部に流している」として、キム氏を相手に「情報公開禁止仮処分申請」を裁判所に提出した。現代自動車は、中国など競争企業に資料が流れることもありうると主張した。
キム氏は今年9月、米国道路交通安全局に現代・起亜自動車のリコール隠蔽疑惑を申告し、その内容を韓国メディアにも情報提供した。現代自動車で25年間勤務してきたキム氏は、シーター2エンジンから騒音が出て、損傷の程度が激しいために米国ではリコールしたのに韓国国内ではこれを回避している他、ソレントRのエアーバックが作動しない可能性が高いのに会社が欠陥の事実を隠蔽したと主張した。また、i30のエアーバックが制御ユニット(ACU)の欠陥で正常に作動しない可能性があるにもかかわらずリコールしなかったと主張した。
現代自動車はこれに対して、キム氏が指摘した問題はきわめて一部の不良に関するもので、米国で問題がないとの結論が出た部分もあるなどの釈明を出したことがある。
現代自動車は社規違反を理由に挙げたが、内部告発者の解雇は論議を招くと見られる。キム氏は会社の対応について「公益情報の提供を貶めるために別の理由を挙げている」と批判した。2日、キム氏に解雇の事実を通知した現代自動車は「懲戒対象者は15日以内に異議申請ができる」と明らかにした。