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鉄道スト1カ月、事故相次ぐもコレイルは「知らぬふり」

登録:2016-10-25 00:06 修正:2016-10-25 07:41
軍所属の代替機関士が運転した列車で事故 
1時間以上乗客閉じ込められ、煙が出、運行中断 
大型事故の懸念膨らむ 
対話も仲裁も拒否するコレイルと政府が事態を悪化させている 
警察へ出頭した鉄道労組委員長「対話しよう」
19日午後、ソウル鍾路区大学路で公共貨物連帯のストライキ勝利民主労総総力闘争決起大会が開かれ、参加者らが「労働改悪破棄、成果退出制粉砕、腐敗・不法・殺人政権退陣」を要求している=キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

 全国鉄道労組のストが1カ月近く続いている中、軍所属の代替人員が運転した列車でここ1週間に3件の事故が相次いで発生し、不安が増している。コレイル(KORAIL)と政府は事態解決の努力をせずに一貫して強硬対応を続けており、スト長期化による大型惨事が起こりかねないという懸念も高まっている。

 24日、コレイルと鉄道労組の話を総合すると、最近1週間に多くの乗客が利用する首都圏で列車事故が3件も起きた。いずれも軍所属の代替人材が運転した列車だ。22日午後3時34分、盆唐線の列車がソウル往十里(ワンシムリ)駅とソウルの森駅の間で止まり、乗客約150人が1時間10分にわたり閉じ込められる事故が発生した。コレイルは動力装置の故障と推定されると主張する一方、鉄道労組は軍所属の代替機関士の操作が未熟だったことが原因だとして対抗している。事故原因は調査中だ。23日にも、京畿道高陽(コヤン)市の地下鉄3号線大曲(テゴク)駅から梧琴(オグム)駅方向に出発しようとした電車の下から煙が出、乗客約200人がホームに避難した。1週間前の17日午前には、出勤時間帯に地下鉄1号線の鍾路3街(チョンノサムガ)駅のホームで列車が1時間30分にわたり運行中断する事故が起きた。代替人材の次長と機関士が正しく対処できず、乗客が自らドアを開いて出ていくなど、混乱が加わった。

 列車事故が頻繁に起きるにつれ、懸念の声が高まっている。コレイルがストに合わせて投入した代替人材の機関士は、軍人や退職者、列車の運転経歴を持つ管理職で構成されている。日常的に列車の運行をしていないため熟練度が劣り、危急状況での対処能力も足りない。また、安全運行のために列車の整備は重要だが、人材は不足し代替人材は専門性が劣るため、危険な状況だ。鉄道労組のキム・ジョンハン政策室長は「政府とコレイルがストの影響力を減らすために代替人材を無理に投入し、事故の危険を高めている」とし、「対話を通じてスト事態を解決すべきだ」と話した。

 問題は政府とコレイルが中心争点である成果年俸制について、対話も仲裁も拒否している点だ。特にコレイルのホン・スンマン社長の強硬な行動が事態をよりこじらせていると指摘されている。ホン社長は「機関士は既得権層だ」、「労組の不合理な慣行を正す」、「政界が介入するからストが長引く」など、対話よりも「労組手なずけ」に出ている状態だ。

 国土交通部や雇用労働部も、事実上問題の解決に手をこまぬいている。国土部のカン・ホイン長官はこの日、ソウル九老(クロ)区の鉄道交通管制センターを訪問して「労組はストを直ちに中止せよ」と述べるなど、1カ月間同じ言葉ばかりを繰り返している。労働部は、鉄道労組が労働問題の準司法機関である中央労働委員会での調整過程を経ており、事実上合法ストの道を開いたにもかかわらず「不法のレッテル」を貼り、むしろストの長期化を煽った。

 鉄道労組のキム・ヨンフン委員長はこの日、ソウル龍山(ヨンサン)警察署に出頭し取り調べを受ける前に、記者会見を通じて「合法ストを業務妨害で処罰することはできないので、鉄道公社の告訴に堂々と立ち向かうため、警察の取調べに応じた」とし、「社会的対話と交渉の扉が開かれることを願う」と話した。

キム・ソヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/767060.html 韓国語原文入力:2016-10-24 20:10
訳M.C(1630字)

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