裁判所が訴訟提起から1年10カ月後に、ようやく、セウォル号惨事当日の朴槿恵(パク・クネ)大統領の足取りを公開しなかった大統領府の処分が適法であると判断した。朴大統領の7時間の行動は再びミステリーとして残ることになった。
ソウル行政裁判所行政13部(裁判長ユ・ジンヒョン)は20日、セウォル号惨事当日、朴大統領に対して行われた書面・口頭報告と朴大統領の足取りなどの情報に対する非公開処分の取り消しを求めて、2014年12月、「ハンギョレ」が大統領府に対して起こした情報公開請求訴訟で、原告一部勝訴判決を下した。
裁判所は、大統領に対する有線(電話)報告などが情報公開法上の公開請求対象となる「情報」であることを、ハンギョレが立証できなかったとして却下した。裁判所は「情報公開法が定める情報はすでに媒体に記録された事項であり、その媒体に記録された状態で閲覧、視聴、写本の方法で公開できるものを意味する。媒体の存在に対する証明責任はハンギョレにある」と明らかにした。また、大統領に対するほとんどの書面報告の内訳は「意思決定過程または内部検討過程にある事項で、公表される場合、業務の公正な遂行や研究開発に著しい支障をきたす可能性がある」として棄却した。ただ、セウォル号事故に関連した大統領への書面報告書の一部文書の登録番号と登録日時については、公開を命じた。
裁判所は当初、今年1月にこの事件の判決を言い渡す予定だったが、突然弁論を再開し、大統領府を意識しているのではないかという批判の声があがった。大統領府はこれまでの裁判過程で「朴大統領に対する書面報告資料は存在するが、電話報告や対面報告などの口頭報告は録音しないのが慣行であり、資料は存在しない。公式日程がない場合、大統領の日程や具体的な位置は管理していないため、大統領の足取りの資料は存在しない」との説明を繰り返してきた。これに対して、裁判所は書面報告資料を非公開で提出するように2回にわたり命令したが、大統領府は明確な事由を明らかにすることなく資料の提出を拒否してきた。