「パク市長非難の世論作り」の内容に
保守団体「兵役疑惑」などのデモ
全経連、約4800万円を借名口座へ振り込む
国家情報院・全経連・保守団体が癒着した疑惑
「国家情報院コメント事件」の当事者であるウォン・セフン元国家情報院長の破棄差し戻し審公判で、国家情報院が2011年から保守団体の活動を指揮してきた状況が、検察の捜査で明らかになった中(http://japan.hani.co.kr/arti/politics/23980.html)、 2013年5月に公開された、いわゆる「パク・ウォンスン制圧文書」も、国家情報院が全国経済人連合会(全経連)と大韓民国父母連合(父母連合)を活用し、パク・ウォンスン・ソウル市長の世論戦を繰り広げようとしたものではないかという疑惑が持ち上がっている。
2013年5月、ハンギョレが入手して公開した「ソウル市長の左翼偏向市政運営の実態と対応方向」(パク・ウォンスン制圧文書)と文書には、「保護者団体、経総(韓国経営者総協会)・全経連、著名な教授・論客、メディア社説・コラム、自由青年連合・父母連合など、汎保守陣営などを動員し、パク市長に対する非難世論を作って行かなければならない」という計画が盛り込まれている。パク・ウォンスン・ソウル市長が2011年の10・26補欠選挙で当選した直後の11月24日作成されたこの文書は、「経総・全経連など経済団体を通じた非難世論作り」と「自由青年連合・父母連合など、汎保守陣営を対象にパク市長の市政を糾弾する集会・抗議訪問、声明戦などに積極的に乗り出しように督励」など、特定の団体に言及した具体的な実行案を提示した。
実際に、最近、全経連から資金を受け取った父母連合など、極右・保守性向の団体がパク・ウォンスン市長を誹謗するなど官製デモを続けてきた事実が明るみに出たことで、文書の内容が現実のものになったのではないかという疑惑が膨らんでいる。JTBCによると、全経連は、2012年2月から2014年末までに父母連合の借名口座に20回にわたって5億2300万ウォン(約5050万円)を振り込んだ時期に、父母連合がパク市長の糾弾集会などを続いてきた情況が明らかになっている。全経連がお金を振り込んだ2012年2月に、父母連合はパク市長の子息、パク・ジュシン氏の兵役疑惑を糾弾する集会を開催し、最近まで疑惑を提起してきた。また、パク市長が再選に挑んだ2014年6・4地方選挙を控え(5月30日)、全経連のお金が振り込まれたが、当時、父母連合はソウル市庁前で「環境にやさしい給食から農薬検出」されたことを糾弾するデモを1週間に5回も行っていた。その後、2014年11月にも光化門(クァンファムン)広場のセウォル号テント撤去集会など、パク・ウォンスン市長糾弾集会を続けた。
国家情報院がコントロールタワーとなり、全経連・父母連合などの右派団体やインターネットメディアなどを動かす「黒いコネクション」が着実に動作してきたという疑いがもたれている。 「パク・ウォンスン制圧文書」が再び注目を受けたことを受け、パク市長は26日、ツイッターに「これから真実を伝えることで、偽りを制圧しなければなりません」と書いた。
一方、父母連合の集会を指示したとされるホ・ヒョンジュン大統領府行政官が、その内容を報じた『時事ジャーナル』に出版禁止と電子版の記事の削除を求める仮処分訴訟を起こしたことと関連し、同日、ソウル西部地裁かで公判が行われた。ホ行政官の弁護人は法廷で「ホ行政官が所属している国民疎通秘書官室の主な業務は、市民社会と疎通すること」としながら、「通常の業務遂行として、協議したことはあるが、(携帯電話の)メッセージで『集会を開いてくれ』とか『開くように』指示した事実は全くない」と疑惑を否定した。一方、時事ジャーナルの弁護人は「(チュ・ソンヒ事務総長が)指示を受けたわけではないが、調整を行ったと語ったが、市民団体と大統領府間の(地位の)差を考えると、指示として受け止めるのが一般的な通念だ」と主張した。
また、「2030政治共同体、青年する」などの青年団体はこの日、ソウル瑞草(ソチョ)洞ソウル中央地検前で記者会見を開き、「保守団体を煽り、官製デモを指示した事実が検察の捜査で確認されば、大統領府行政官に職権乱用罪を適用し、処罰しなければならない」とした上で、「この事態の責任は大統領府が負うべきだ」として、ホ行政官を告発した。
これに先立ち、全経連がベデル福音宣教福祉財団という宣教財団の口座を通じて父母連合を迂回的に支援したという疑惑と関連し、経済正義実践連合が金融実名制法違反などの疑いで捜査を依頼したことを受け、この日、ソウル中央地検は刑事1部(シムオジョン部長検査)に事件を担当させ、捜査に着手した。
韓国語原文入力:2016-04-26 20:16