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国家情報院が保守団体の活動を指揮 コメント事件公判で明らかに

登録:2016-04-26 00:45 修正:2016-04-26 06:58
ソウル内谷洞の国家情報院庁舎が近くの橋の欄干の向こうに見える=イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

心理戦団職員、2011年から保守7団体と接触 
希望バス、無償給食など批判する新聞広告にも介入 
青年右派団体の設立を手伝い、護国写真展も支援

 政府寄りの管制デモを主導してきた大韓民国父母連合(父母連合)の資金源と黒幕に対する疑惑が膨らむ中、国家情報院が李明博(イミョンバク)政権当時から保守団体の活動を事実上指揮してきた情況が、検察の捜査で明らかになった。国家情報院は、保守団体による意見広告への介入をはじめ、彼らが行った1人デモとチラシ配布計画まで深く関与したことが分かった。

 ソウル高裁刑事7部(裁判長キム・シチョル)の審理で25日開かれた「国家情報院コメント事件」の主犯、ウォン・セフン元国情院長の破棄差し戻し審の公判で、検察は「国家情報院の心理戦団所属職員のパク氏が保守右派団体と青年右派団体を支援し、指導する活動を行った」と明らかにした。

 同日、検察が公判で明らかにした内容と、ハンギョレが入手した裁判記録などを総合すると、国家情報院が2011年6月から2年間に渡り接触した保守団体は7つ。国家情報院は、保守団体を通じて韓進重工業(における整理解雇の撤回を求める)希望バスの批判、無償給食、無償医療への反対、民主労働党の解散など、政府と与党に有利な新聞広告や報道資料などを出すように指示した。国家情報院は、これらの団体が行う1人デモまで関与しており、ピケのスローガンなどに対する意見を直接伝えることもあった。国家情報院は、このような活動が特定の保守メディアに報道されるように直接頼み、報道された記事は再び国家情報院心理戦団職員などを通じてインターネット上に広げた。

 検察は国家情報院が青年右派団体の支援にも積極的だったと明らかにした。検察は同日、「国家情報院が、青年右派団体が発足する頃に『私たちは誇り高き大韓民国の青年だ』という内容のスローガンの草案を伝えた事実が確認された。 2012年6月、青年右派団体の護国写真展と関連し、展示する写真を提供することもあった」と述べた。実際に、ハンギョレの取材の結果、パク氏は「大韓国人青年団」という青年右派団体が発足する頃、2012年3月に電子メールを通じて団体創設に関するアドバイスをしており、同年6月に開かれた青年団の写真展は、特定保守メディアにそのまま報道された。検察は「パク氏の業務を見ると、国家情報院はサイバー活動のほか、オフラインでも保守右派団体を支援し、指導する業務や保守メディアなどを通じた世論作り活動などを広範囲に具体的に行っていた」と明らかにした。

 ウォン元院長は、国家情報院の大統領選挙介入事件で、2013年6月在宅起訴され、1審で国家情報院法違反の疑いで懲役2年6カ月に執行猶予4年を宣告された。控訴審では、公職選挙法違反の疑いまで有罪と認められて懲役3年を宣告され、勾留された。しかし、最高裁判所は7月、公職選挙法違反の有罪判断の部分を破棄してソウル高裁に差し戻し、現在破棄差し戻し審が行われている。

ソ・ヨンジ、チョン・ファンボン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-04-25 22:01

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/741267.html?_fr=mt1 訳H.J

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