先月31日から2日間の日程で米国ワシントンで開かれた核安保サミット。この会談自体より、韓米→韓米日→米日→韓日→米中→韓中の順に行われた連鎖的な首脳会談がより重要だった。 韓米は10分、韓日は20分余りの略式会談だった。 韓米日首脳会談と韓中首脳会談はそれぞれ1時間余り行われた。 しかし、中日首脳会談は行われなかった。
韓米首脳会談で両首脳は、国連安保理決議の忠実な履行と強力な韓米防衛態勢を再確認した。 韓日両国の首脳は対北朝鮮共助方案協力と共に12・28慰安婦問題合意の「完全な履行の重要性を再確認」し、合意の非可逆性を確認した。 韓日両国での論議にもかかわらず、合意履行を強行するという意味と見られる。 韓米日首脳会談では、対北朝鮮制裁と圧迫のための共助が強調された。 さらに韓米日の軍事および安保協力強化のための実務協議に3カ国首脳が合意し、安倍首相は「目に見える具体的な協力」を強調した。米国は3カ国首脳会談前に韓日両国に軍事情報保護協定(GSOMIA)の迅速な締結を注文したといううわさも伝わってきた。
今回の連鎖的な首脳会談のハイライトは、韓米日の構図の代表格である米国と、対北朝鮮制裁の実質的な鍵を握る中国との首脳会談だった。 習近平主席はオバマ大統領の面前で二つの話をした。 「対話と交渉が(北朝鮮の核)問題を解決する唯一の正しい方向」であり「朝鮮半島の核問題に対する疎通と調整の強化を望む」として、オバマ大統領に対北朝鮮政策の変化を要求した。 また「米国が韓国にミサイル防衛(MD)システムを配備することに断固として反対する」として、在韓米軍への高高度防衛ミサイル(THAAD)配備を米国のミサイル防衛システムの拡張として認識していることを確認した。 これはすなわちTHAAD配備の延期あるいは留保を条件に、中国が対北朝鮮制裁の履行に協力したといううわさが事実ではないことを証明するものだ。 米中共同声明は、両国が核非拡散体制を守ることに合意したという内容があるだけで、北朝鮮核問題には言及がなかった。 南シナ海問題、対北朝鮮政策、そしてTHAAD配備問題で米国と中国が尖鋭に対立したという意味だ。
米国と衝突した中国は、韓中首脳会談で「6カ国協議の枠組みで対話を追求する」という意志を明らかにする。 同時に習近平主席は米国に投じたTHAAD反対メッセージを繰り返す。 すなわち韓国は「局面を一層緊張させる言動を避けなければならず、他国の安全利益と地域の戦略的均衡に影響を与える措置も取ってはならない」として、THAAD配備反対を朴槿恵(パククネ)大統領に表明した。 朴大統領は気まずくなった韓中関係を回復しなければならなかったが、韓中間の疎通を強化するという線で会談を終わらせざるをえなかった。 韓米日の共助を強調した結果、韓中関係が一層悪化したことを実感したようだ。
これを再構成すれば、韓国の外交が少しおかしいことが分かる。 韓国は韓米日の3カ国共助を通じて対北朝鮮圧迫を強調している。 ところが米日は韓米日の軍事協力により強い関心があるようだ。 韓米日は制裁を強調しただけで北朝鮮の非核化方案に対する議論はしなかった。 中国は日本を差し置いて、韓国と米国に疎通と協力を強調し、6カ国協議の再開とTHAAD配備反対を明確にした。だが韓米が望む対北朝鮮制裁の成功は中国にかかっている。 中国の協力なしには北朝鮮の変化を誘導する制裁と圧迫政策は成功できず、北朝鮮の非核化も不可能だ。 したがって、韓国にとって中国との協力は韓米日共助同様に重要だ。 THAAD配備で米中関係が行き詰っているのに、朴槿恵政権は中国とのギクシャクした関係を改善させたがっている。 韓国は韓米日の軍事協力とTHAAD配備を推進しながら、中国の積極的な役割を期待している。 一体何をしようというのか、理解できない。