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北朝鮮が開城工業団地内の資産を全面凍結し南側人員を全員追放した11日夜、南側人員が乗った車が京畿道坡州市の南北出入境事務所を通じて南に入っている =坡州/キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

　北朝鮮が朴槿恵(パククネ)政権の開城(ケソン)工業団地「全面中断」に対抗して、南側人員を全員追放し資産を凍結する一方、開城工業団地の地域を軍事統制区域と宣言した。 また、南北間の軍通信線と板門店連絡窓口も閉鎖すると明らかにし、南北間の疎通チャンネルが全て途絶えた。

　北朝鮮の祖国平和統一委員会(祖平統)は11日「声明」を出し「(朴槿恵政権による開城工業団地全面中断措置は)南北関係の最後の命綱を手放す破綻の宣言であり、6・15共同宣言に対する全面否定であり、朝鮮半島情勢を対決と戦争の極に追い込む危険千万な宣戦布告」と発表した。

　祖平統が明らかにした「重大措置」によれば、北朝鮮はこの日午前10時から開城工業団地と隣接した軍事境界線を全面封鎖し南北管理区域である「西海(ソヘ)線陸路」(京義線道路)を遮断することにした。 開城工業団地は閉鎖し軍事統制区域になったと宣言した。

韓国政府が北朝鮮の核実験とロケット発射に対応するとして開城工業地区の稼動全面中断を発表した翌日の11日午後、京畿道坡州市の都羅山南北出入境事務所を通じて開城工団から撤収する車両が荷物を満載し南側に入っている =シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

　北朝鮮はこの日午後、開城工業団地の南側人員を全員追放する一方、南側企業と関係機関の設備、物資、製品などすべての資産を全面凍結すると明らかにした。 南側人材の追放と同時に南北間の軍通信線と板門店連絡窓口も閉鎖すると明らかにした。 追放される人員は個人の物品以外は持ち帰ることができず、凍結された設備、物資、製品は開城市人民委員会が管理すると明らかにした。 北朝鮮は北側の労働者もこの日全員撤収させたと発表した。 北朝鮮は追放期間をこの日午後5時30分と定め、40分前の4時50分頃に北側中央特区開発指導総局が南側の開城工業団地管理委員会に通知した。 南側人員280人はこの日午後11時頃、全員が南側に帰還した。

　北側の今回の追放・閉鎖通知により、入居企業が完成品や原副資材などを南に持ってくる時間的余裕を与えず電撃的に開城工業団地の「全面中断」決定を発表した政府と入居企業間での軋轢が強まる見込みだ。

北朝鮮が開城工業団地内の資産を全面凍結し南側人員を追放した11日夕、京畿道坡州市の自由路終点の臨津閣入口道路で開城工業団地を出た履物企業の職員が緊急連絡をしている＝坡州/キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

　祖平統は「開城工業地区が全面閉鎖状態に置かれることになった」として、朴槿恵大統領と韓国政府を猛非難した。 祖平統は「そのような小銭が我が国の威力ある核兵器開発と衛星発射に使われたかのように騒ぐのは初歩的な算数もできない荒唐無けいな詭弁」とし「開城工業地区を破綻させ我が国の核武力強化と衛星発射に影響を与えられると考えるならば、これ以上愚かなことはない」と主張した。 祖平統は声明で朴大統領に対して激しい罵声と蔑視的表現を繰り返し使った。

　この日南側では、北側の中央特区開発指導総局と入居企業人員・設備などの撤収を協議しようとする開城工業団地管理委員会のキム・ナムシク委員長ら13人を含め計132人が開城工業団地に入り、これらの一部を含めて248人が滞留する予定だったが、全員が追放された。 韓国統一部当局者は「関連対策および北朝鮮の措置に対する対応を準備中」と話した。

開城工業団地企業協会の緊急理事会が開かれた11日夕、ソウル汝矣島の中小企業中央会事務所で参加した企業関係者らがチョン・ギソプ開城工業団地企業協会長の発言を聞いた後、電話などをしながら沈痛な表情で座っている＝キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

　大統領府は北側の開城工業団地閉鎖措置に対して「予想された手順」という泰然とした反応を出した。 チョン・ヨングク大統領府報道官はこの日午前、記者団に「統一部が発表した通り、韓国国民の安全帰還のためにすべての措置を速かに推進する」と明らかにした。 大統領府はこの日午前、国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開き、開城工業団地撤収関連事項を点検し北朝鮮の追加挑発の可能性にともなう対備態勢を議論したと伝えられた。