登録 : 2016.01.26 23:16 修正 : 2016.01.27 05:56

民主性・公益性除外して愛国心を選抜基準に

人事革新処//ハンギョレ新聞社

政治的中立義務違反の素地 
思想検証への懸念あるが強行 

立法予告とは異なり 
道徳性、多様性なども除外 

昨年、法的根拠がなくても評価したことから 
面接基準として本格的に登場予告 

受験生 「政府の賞賛だけ並べるべきなのか」 
学界「違憲素地がある」

 国家公務員試験を含むすべての公務員試験で、「愛国心」を主な評価基準として活用できる法的根拠となる国家公務員法改正案が26日、閣議を通過した。評価基準となる公職価値は当初立法予告とは異なり、愛国心と責任性、清廉さだけが残り、「民主性」や「公益性」などは除外された。愛国心を評価・検証して公務員を選抜するということは、憲法上の基本権侵害の素地が大きく、“思想検証”に悪用される恐れがあると指摘されている。国会の公務員法改正案の議論過程で野党と市民社会の反対など、激しい議論が予想される。

 政府は同日、黄教安(ファンギョアン)首相の主宰で開かれた閣議で、愛国心などを公職価値と規定し、公務員が追求すべき目標・基準として明示した国家公務員法改正案を審議・議決した。同改正案には、公務員は愛国心などの公職価値の遵守と実現に努めなければならないという“義務条項”も盛り込まれた。これに先立ち、人事革新処が昨年4月、5級公務員(国家公務員Ⅰ種)採用のための面接で、公職価値を主に評価する方向で試験方式を変更したうえ、法改正までに完了すると、愛国心などの公職価値がすべての公務員試験の面接で、主な評価基準として活用されることになる。

 人事革新処が昨年、アンケート調査などを基に改正案に盛り込んだ公職価値に、当初の立法予告とは異なり、民主性や道徳性、透明性、公正性、公益性、多様性が除外されたことも、問題になるものと見られる。この日の閣議で通過された改正案には、立法予告の際に提示された民主性など9つの価値のうち「愛国心、責任性、清廉さ」だけが明示された。

 問題は、愛国心を測定し、評価する基準が曖昧であり、事実上の“思想検証の装置”として悪用される恐れがあるという点にある。実際、昨年10月末から5級公務員採用のための公職価値観評価面接では、「歴史教科書の国定化」「原発問題で対立を引き起こす勢力」「国家体制の転覆勢力」などに関する質問が行われ、“思想検証”が問題になった。朴正煕(パクチョンヒ)元大統領が推進したセマウル運動、京釜高速道路などをテーマに深化討論と面接評価が行われた場合もあった。この試験の受験者のうち30%は脱落した。これに先立ち、昨年7月の9級税務職公務員試験でも、受験者たちに「愛国歌4番を歌う」ことや「国旗に対する誓いの暗記」、「太極旗の四卦合わせ」などが求められた。

 昨年には、公職の価値に関わる法的定義と根拠がなかったにもかかわらず、このように公務員試験が行われたが、今回の国家公務員法改正案が国会を通過すれば、今年から各種公務員試験では、愛国心が本格的に面接の評価基準として登場する見込みだ。すでに各種公務員試験専門の塾では、愛国心など公的価値に関する面接に向けて講座や説明会などを開かれている。国家公務員試験を準備しているキム氏(27)は、「公職価値面接の準備説明会のようなところに行くと、愛国心と忠誠心を積極的に示す方向で準備するように言われる。愛国心をどのよう示したらいいか、政府に対する賞賛を並べるだけでいいのか、心配だ。日本軍慰安婦問題に関連した合意についても、賛成する見解をどのように展開すればいいのかを考えている」と述べた。

 公務員たちに愛国心を公職価値として提示するものとは別に公務員選抜のための面接で、愛国心などを評価基準として活用するのは、違憲の素地があるという指摘もある。オ・ドンソク亜洲大学法学部(憲法)教授は、「政府と国家を実質的に区別するのは難しいことから、愛国心という抽象的な概念を法律に義務として規定することは、良心の自由を侵害するものと言える。また、政府の特定の政策に対する価値判断まで強要するのは思想検証にほかならず、公務員の政治的中立義務違反の素地もある」と述べた。

キム・ジンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-01-26 19:38

http://www.hani.co.kr/arti/politics/administration/727950.html訳H.J

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