登録 : 2016.01.22 08:14 修正 : 2016.01.22 15:45

米政策決定に影響及ぼすシンクタンクが報告書

米太平洋司令部管轄区域の主な米軍駐留状況//ハンギョレ新聞社
北朝鮮崩壊の可能性高いとの主張も
米国防総省・軍需産業の利益を代弁

 米国の著名なシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)が、韓国は高高度防衛ミサイル(THAAD)を配備すべきと露骨に米国政府に勧告した。また北朝鮮崩壊の可能性が高いとも主張している。このシンクタンクは米国の保守派安保専門家らの温床になっており、知日派や親日派のアジア専門家が集まる機関として知られるが、米政府と外国政府の政策決定に大きな影響を及ぼすため、少なからぬ論争を巻き起こすものと見られる。

 同研究所は20日(現地時間)、米国防総省の委託を受け作成した報告書「アジア・太平洋再均衡2025」で、「アジア・太平洋再均衡の戦略レベルで地域ミサイル防衛(MD)能力を強化すべき」として、その一環として朝鮮半島へのTHAAD配備の必要性を強調した。さらに「パトリオットシステムで低高度の脅威は防げるが、THAADはもっと初期に長距離ミサイルを打撃できる、さらに大きな迎撃範囲を提供し、外気圏までの大気層でミサイルを迎撃できる唯一のMDシステム」とTHAADの長所を広報した。また報告書では「韓国軍はTHAADと似た自主的なシステムを開発することに関心を示してきたが、米国の経験からして、このような種類のシステムを開発して配備するには数十年の努力が必要になる」と指摘した。

http://csis.org/files/publication/160119_Green_AsiaPacificRebalance2025_Web_0.pdf

戦略国際問題研究所(CSIS)の報告書「アジア・太平洋再均衡2025」//ハンギョレ新聞社
 だが、報告書はTHAADのレーダーが欺瞞弾(フレア)の識別能力で劣ることや、迎撃対象ミサイルの不規則な動きによってTHAADの迎撃能力も落ちるとする批判者の指摘には一切言及しなかった。また報告書は、米ミサイル防衛庁(MDA)がTHAADの迎撃範囲を拡大した「THAAD-ER」の可能性を研究しているとし、これが現在のTHAADより9~12倍も広い範囲を防衛できる迎撃ミサイルであることを初めて紹介した。報告書が「極超音速システムに対抗」と明らかにした点から、中国が現在開発中とされる極超音速ミサイルを念頭にしたものと察せられる。

 報告書は「金正恩(キムジョンウン)には改革を行ったり開放をする能力がない。また北朝鮮脱出者も増え続けていて、北朝鮮経済は低開発状態で現状維持も難しい。北朝鮮の中央集権的な国家統制が早期に崩壊する可能性がある」と北朝鮮崩壊を主な安保の脅威に挙げた。これは金正恩政権になり脱北者が減っているとした韓国政府の判断と異なるばかりか、米議会調査局が15日に出した朝米関係の報告書で「金正恩はリーダーシップを強化してきたように見える」と評価したこととも相反する。

 同研究所はこの報告書が“独立的”な研究だと主張しているが、実際には、国防予算増額を求める米国防総省と軍需企業などの利益を代弁していると見られる。研究所が2013年に公開した財政報告書では、財団自らの収入(29%)を除けば、企業(32%)と政府(19%)からの収入が絶対的な比重を占めている。研究所の信託理事会名簿ではボーイングやエクソンモバイル会長が理事になっている。同研究所が進めるプロジェクトには国防省の研究委託が少なくない。全体的な報告書の基調は中国の脅威を強調し、米国と日本の利害関係を代弁しているのも特徴だ。米紙ニューヨークタイムズは2014年、同研究所が日本政府の傘下機関、日本貿易振興機構(JETRO)から過去4年間に少なくとも110万ドルを支援されたと暴露している。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-01-21 22:13

http://www.hani.co.kr/arti/international/america/727386.html訳Y.B

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