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「慰安婦交渉で最上の合意に努力」…国民の認識とかけ離れた大統領の自画自賛

登録:2016-01-13 23:24 修正:2016-01-14 06:19
13日 ソウルの駐韓日本大使館前で開かれた日本軍「慰安婦」問題解決のための第1213回定期水曜デモに元慰安婦のハルモニが参加し、韓日の慰安婦合意が無効だと宣言し政府に正しい解決を求めている=キム・ポンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 朴槿恵(パククネ)大統領は13日、新年記者会見で日本軍「慰安婦」被害者問題と関連した韓日政府の12・28合意について「(政府が)最大限の誠意を持って最上の結果を受け取り合意に至るべく努力したことは認めてもらいたい」と述べた。 「最善を尽くした最上の結果」と自ら評価した。 さらに朴大統領は「責任ある立場にある時にこの問題の解決を試みることさえできなかったのに、今になって無効化を主張し政治攻撃の口実としているのは残念」と野党の反対を“難癖”と主張した。

 朴大統領のこの発言は、「時間的緊急性と現実的条件の下で最善の努力を傾けた結果」(12月28日大統領談話)とか、12・28合意を批判する声を「社会の混乱を引き起こすデマ」と片付けて「再び原点に戻そうと言うなら、政府としてもハルモニ(お婆さん)たちの生存中にこれ以上何もできなくなる」(12月31日大統領府国民向けメッセージ)とした攻撃的態度の延長線上にある。 朴大統領は被害者ハルモニと面会する問題についても「傷が癒えて心が治癒してゆく過程で会う機会もあるだろうと考える」と述べた。 今は会うつもりがないものと見てとれる。

「問題の解決を試みることさえさえできなかったのに…」
野党の無効化主張を“難癖”と主張
「不可逆的」など問題になった部分は口を閉ざし
安倍が移転を言及した少女像問題には
「政府がああしろこうしろとは言えない」

 朴大統領はこの日の会見に先立ち行った国民向け談話では、日本軍「慰安婦」被害者問題や12・28合意を全く口にしなかった。 「すでに終わったこと」と見て、国民の理解を求める必要はないと考えたか、世論の流れから見て「不利な懸案」であるのであえて先に話す必要はないと判断したようだ。 しかし、会見では内外信の記者13人のうち4人が質問するほどの“熱い懸案”だ。 韓日政府間の互いの食い違いと神経戦、韓国社会内部の激しい反発など現在進行形の事案であるためだ。

 朴大統領は12・28合意が、(日本)軍の関与▽日本政府次元の公式謝罪▽日本政府の資金(予算)による被害補償、など慰安婦被害者問題の「3要素を忠実に反映した結果」と自賛した。 韓国外交部がこわれた蓄音機のように繰り返してきた論理だ。 しかし朴大統領は、最も深刻な問題として指摘されている「最終的・不可逆的解決確認」という言葉を巡る論議に対しては何も言及しなかった。 特に安倍晋三・日本首相が公然と「適切に移転されるだろう」と言った駐韓日本大使館前の「平和の少女像」(少女像)に対しても「移転することはないだろう」と明確に語ることはなかった。 代わりに「政府がああしろこうしろと言えない事案」とか「韓日外交長官の発表、それ以上でも以下でもない」という外交部の曖昧な公式見解を繰り返すだけだった。

 朴大統領は安倍首相との首脳会談の可能性については「今年も国際会議が多くあるので、そうしたところで自然に行われる事も可能で、機会はたくさんあると考える」と明らかにし可能性を残した。

イ・ジェフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/726058.html 韓国語原文入力:2016-01-13 19:41
訳J.S(1575字)

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