金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党第1書記が新年辞で南北対話と関係改善のために努力する意向を明らかにした。 昨年とは異なり核兵器に関連した直接的言及はなく、対外関係改善意志も表わしたものと見られる。 5月初めに予定された36年ぶりに開かれる第7次労働党大会で新たな展望を提示する意志も明らかにした。
金第1書記は1日正午(北側時刻、南側時刻より30分遅い)の新年辞肉声演説で「南北対話と関係改善のために今後も積極的に努力する」とし「民族の和解と団結、平和と統一を望む人ならば、誰とでも向かい合って民族問題、統一問題を虚心坦壊に議論する」と明らかにした。 金第1書記は執権2年目の2013年1月1日から新年辞肉声演説を朝鮮中央テレビを通じて行ってきた。
金第1書記は「昨年の南北高位級緊急接触の合意精神を大切にし、それに逆行したり対話ムードを害する行為をしてはならない」と南側に要求した。 「8・25合意」にともなう第1次次官級南北当局会談は決裂したが、対話の契機を継続する意を表わしたものと見られる。 金第1書記はさらに「南朝鮮当局は(自主・平和・民族大団結の)祖国統一3大原則と6・15共同宣言、10・4宣言を尊重し誠実に履行する意志を見せるべきだ」と強調した。
今年の新年辞では「核兵器」に関する言及がなかった点が特に注目される。 昨年は米国の対北朝鮮敵対視政策を批判して、「我々の自衛的な核抑止力」、「核抑止力を根幹として」などの表現で核保有事実をとりあげ(核と経済の)「並進路線」に言及した。 だが、今年の新年辞には「朝鮮半島が核戦争の発源地になっている」、「米国などが大規模核戦争演習を展開しながら」などの表現だけあるだけで、北側の核兵器については全く触れなかった。 核と経済建設の並進路線についても強調しなかった。
最近起きたモランボン楽団の中国公演取り消しなどが、金第1書記の水素弾発言の結果という一部解釈が出ていることから、核兵器に対する言及がなかったのは、今年中に金第1書記の中国訪問意志によるものと解釈する余地がある。
合わせて5月初めに開かれる第7回労働党大会で新たなビジョンを提示して、成功裏に開催する意も強く示した。 金第1書記は「朝鮮労働党第7次大会は、我が党が革命と建設で成し遂げた成果を誇り高く総括し、我が革命の最後の勝利を前倒しするための華麗な設計図を示すことになるだろう」と明らかにした。
“人民重視”基調も維持した。 金第1書記は「我が党は人民の生活の問題を千万ある国事の中で第一の課題として掲げている」とし、「人民が最上の文明を最高の水準で享受できるようにしなければならない」と話した。