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希望退職拒否者に毎日「回顧録書け」 韓国財閥企業の社員教育で執拗な人権侵害

登録:2015-12-17 08:54 修正:2015-12-17 08:56
「人が未来だ」というコピーの斗山グループの広告画面キャプチャー//ハンギョレ新聞社

斗山インフラコア、20代3人を含む21人に
8時まで出勤させ毎日A4用紙5枚分書かせる
3回警告状を受けたら人事委へ付託方針
問題にされると1~2年目の希望退職返還指示

 今年入社したばかりの新入社員まで削減対象にした斗山(トゥサン)インフラコアが、“希望退職”を拒否した社員の一部に待機命令を出した後、90年代末のIMF事態を想起させる人権侵害教育を行い、問題になっている。現在進行される構造調整では、新入社員の削減だけでなく、妊婦に対し退職の圧力をかけるなど人道に反す事態が重なり不満が続出している。

 同社は今年2月と9月に課長級以上の事務職を対象に、11月には技術職(生産職)を対象に希望退職を募り、800人余りが会社を去った。9月と11月の希望退職実施過程で、会社の退職要求を拒否した生産職と事務職の社員は現在待機命令が出ている状態だ。16日、全国金属労働組合・斗山インフラコア支会によると、所属組合員の中で希望退職に応じていない人は20代の3人を含め21人になる。彼らは仁川松都(ソンド)、仁川南洞工業団地、京畿道安山(アンサン)の安山商工会議所に午前8時に出社し、携帯電話を預けたまま毎日A4用紙5枚分の自身の“回顧録”を書かされている。

 同社は教育対象者に、教育中に携帯電話の回収に応じない時、頻繁にトイレを利用する時、時間を守れない時、雑談や席を空けたり指示不履行の時に警告状を出し、警告状を3枚受け取れば人事委員会に付託する方針を下した。「希望退職しなければ慰労金も出ない」と圧迫までされているという。これに対し斗山インフラコアの広報チームは「どんな教育でも教育前に携帯電話は回収する。教育を受けたくないので行ったり来たりする場合もあるが、そうした部分に対するガイドラインを提示したもの」と釈明した。

 9月の希望退職実施過程で退社を拒否した40~50代事務職26人も、待機命令状態で12週間“退職圧力”の教育を受けている。同社は、人事で低評価者とされたので教育が必要と説明するが、教育内容は“人生二毛作”など、事実上、退社を誘導しているに等しい。

 こうした状況の中、斗山インフラコアは18日まで、今年で4回目になる希望退職の勧誘を進めている。同社社員と明かすある読者は16日、ハンギョレに送ったEメールで「妊娠3カ月の女性、出産休暇2カ月前の女性、社内結婚した夫婦のうち女性社員に会社が退職を勧告中です」とした上で「会社は希望退職を勧告(強要)したことはないと言うけど、なぜ多くの社員のうち特定の人だけ面談し、面談を終えて出てくると泣きながら、荷物をまとめたりするんでしょうか」と訴えた。

 20代の新入社員まで構造調整に含めた斗山インフラコアの行動に対する批判世論が高まると、パク・ヨンマン斗山グループ会長は16日、1~2年目の社員を構造調整から除外するよう指示を下した。これを受け斗山インフラコアは、1~2年目の社員は希望退職を申請しても無効化する方針だ。しかし、同社は2月にも社員から希望退職書を受けキャンセルさせるなど、無理な削減と撤回を繰り返していたことが確認された。

 斗山インフラコア社員らの話を総合すると、同社は2月に事務職課長級以上に対する希望退職を進め、入社2~3年目の社員も10人ほど削減対象に含ませた。退職対象はあらかじめ決まっていた。匿名を希望するある社員は「当時も今回のように希望退職の申請が締め切られる前、若い社員が削減リストに含まれていることが問題になった。パク・ヨンマン会長が社員の退職を返上させるよう指示したと聞いている」と明らかにした。また「当時、構造調整の過程でプライドを大きく傷つけられた社員の一部は、会社に戻ることはなかった。今回も後になって1~2年目の社員を構造調整の対象から除外したけど、愛社心を持って戻ってこれるか疑わしい」と話した。これに対し同社は「当時は2~3年目でなく4~5年目の社員の退職を後になって却下したことがある」と明らかにした。

パク・ヒョンジョン、イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-12-17 01:39

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/722304.html?_fr=mt1 訳Y.B

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