(1)中国経済リスク
(2)輸出競争力弱化
(3)米国の相次ぐ利上げ
(4)企業の構造調整
(5)構造・規制改革遅延
来年の韓国経済は、中国リスク、輸出競争力低下、米利上げ後の金利政策、企業構造調整、構造改革など5大リスクを警戒しなければならないという分析が出された。
全国経済人連合会の傘下機関である韓国経済研究院は15日、ソウル汝矣島(ヨイド)の全経連会館カンファレンスセンターで「2016年韓国経済5大イシュー:展望と対応方向」セミナーを開き、「チャイナリスクと輸出競争力低下などの警告音が聞こえてくる中で、金利政策、企業構造調整、構造改革に万全を期さなければならない」と主張した。
イ・チフン韓経連国際金融センター中国チーム長は、中国リスクと関連して「中国企業の収益悪化が加速化し、今後2年以内に満期が到来する会社債が急増していて、過剰流動性、銀行の不良債権増加など別のリスク要因もある」と指摘した。 中国製造業の利益増加率は、今年1~5月に-1.3%に下落し、赤字企業は9%程度増加した。 また、2017年までに満期が到来する会社債の年平均増加率は51.3%に達する。
イ・チーム長は「中国依存度が高い状況で韓国の対中貿易黒字が縮小すれば実物経済萎縮だけでなく為替レート不安と外国人資金流出などを招く可能性がある」と警戒した。 韓国の最近5年間の年平均対中国貿易黒字は736億ドルに達する。 イ・チーム長は解決法として、中国に対する比較優位の確保と中国市場への進出拡大を提示した。
キム・チャンベ韓経連研究委員は「今後、中国元貨が追加切り下げされる可能性が高い」としながら「最近は韓中貿易が補完から競合関係に変化しているが、元貨の切り下げは中国の価格競争力を高め韓国の競争力を弱化させるだろう」と見通した。 キム研究委員はさらに「日本は2012~15年に価格競争力の向上が必要な電機電子産業、金属産業などを中心に選別的な輸出単価の引き下げを断行したが、その後は輸出単価を維持しつつ利潤拡大を追求してきた産業を中心に攻撃的価格引き下げがなされうる」として日本との競争で韓国輸出企業の困難が続くと見通した。
キム・ジョンシク延世大教授は「米国は今年12月の0.25%の利上げに続き、来年中に0.75~1%まで引き上げると展望される」として「韓国銀行は資本流出憂慮のために利上げが避けられないが、家計負債の不良問題、景気低迷の深刻化など、金利政策のジレンマに直面することになるだろう」と診断した。さらに「利上げは来年下半期から徐々に行い、今は内需浮揚が難しいだけに中国元、日本円の通貨切り下げに応じて韓国ウォンを切り下げて、輸出を増やす政策をとる必要がある」として、漸進的ウォン安を注文した。 しかし、キム・チャンベ研究委員は「米国の利上げにともなう資本流出のリスクについては韓国が他の新興国に比べて相対的に低く、韓国経済は相対的に大きな影響は受けないだろう」という意見を出した。
チョ・ドングン明知大教授は「企業活力向上のための特別法(ワンショット法)は、企業の自発的、先制的構造調整が要求されるという趣旨で発議されたので、供給過剰業種に限定せず全ての企業に開放しなければならない」として、国会が“ゴールデンタイム”を逃さないよう早く処理しなければならないと主張した。