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SKハイニックス、半導体職業病に包括的補償・支援

登録:2015-11-25 22:40 修正:2015-11-26 07:40
元・現社員に協力会社まで含め 
「1年間実態調査」検証委勧告を受け入れ 
検証委「発ガン性・毒性物質など18種 
生産職の代謝症候群、事務職の2~3倍」
SKハイニックスがメモリー半導体DRAMを生産する京畿道(キョンギド)利川(イチョン)の工場内部。資料写真//ハンギョレ新聞社

 SKハイニックスが半導体作業場労働者の職業病の疑いがある疾患と関連して、元・現職の社員はもちろん協力会社の社員も含め包括的に補償すると25日明らかにした。 過去1年間ハイニックス半導体作業場の産業保健実態を点検してきた産業保健検証委員会の勧告を受け入れた結果だ。

 SKハイニックス産業保健検証委(委員長 チャン・ジェヨン亜洲大予防医学教室教授)はこの日、ソウル光化門(クァンファムン)にある教保(キョボ)ビルディングのコンベンションホールで記者会見を開き、「半導体作業場と職業病の疑いがある疾患との因果関係については立証し難い」としつつも、SKハイニックスに包括的な支援・補償システムの用意を提案した。 これに対してSKハイニックスは「検証委の提案をこの場で受け入れる」と明らかにした。

 産業保健検証委は、昨年ハンギョレがハイニックス半導体作業場労働者の職業病の疑いがある疾患の発病事実を報道した後、その年の10月にハイニックスが独立的な外部専門家7人でチームを構成し現場調査を展開した。

 検証委は作業現場で使われている化学物質(860種)のうちエチルベンゼンなどの発ガン性物質や毒性物質(18種)があるが、労働者が露出してはいなかったと明らかにした。 ただし、有機化合物や重金属が一部露出したケースがあるが、その基準が非常に低く人体に影響を及ぼす水準ではなかったと付け加えた。 しかし健康診断の結果と国民健康保険公団資料などを分析した結果、生産職労働者は事務職より代謝症候群の発生確率が2.4~3.2倍高かった。 女性労働者は他の職種より自然流産率(1.3倍)や膀胱炎(1.1倍)が多く、甲状腺癌の発生確率は労働者全体平均より男性で2.6倍、女性で1.3倍高かった。

 だが、検証委は代謝症候群の発生確率が相対的に高く出てきたことをハイニックスで勤務したことと直接関連させることは難しいと説明した。 チャン委員長は「発生メカニズムが複雑な癌や発生率がきわめて低い稀少疾患は、疾患の特性上から因果関係の評価自体が根本的に難しい。 発病率は10~20年間の追跡管理をしなければならないが、因果関係を問い詰めれば補償を受けられないという問題がある。 そこで健康が傷ついた勤労者たちの治療と日常維持に必要な基本水準を支援する『包括的支援・補償システム』を提案する」と明らかにした。 検証委は支援対象に在職者はもちろん、協力業者在職者や退職者、およびその子供を含め、支援対象疾病に半導体産業と少しでも関係があると推定される全ての癌や自然流産、稀少難治性疾患などを含めることを提案した。

 SKハイニックスは「企業の社会的役割に基づいて、疑われる事例として現れたすべての疾患患者を対象に支援と補償を実施する。 早い時期に労使と社外専門家たちで構成された独立的な支援・補償委員会を作り、支援・補償の手続きを準備し施行する」と明らかにした。

イ・ジョンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/719071.html 韓国語原文入力:2015-11-25 19:24
訳J.S(1469字)

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