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[深層リポート/ もう一つの悲劇, SKハイニックス

登録:2014-08-03 22:22 修正:2014-09-11 09:00
]「サムスン(三星)に劣らぬ死亡者発生に衝撃…下請け業者も危険な環境」
現場労働者に不安感高まる
去る1日午後、京畿道(キョンギド)利川市(イチョンシ)夫鉢邑(プバルウプ)のSKハイニックス本社正門前で社員が通勤バスに乗るところ。 利川/リュ・ウジョン記者 wjryu@hani.co.kr

形式的安全教育が不安感に一役
「紙を配りサインをすれば終わり」
昨年初 めに防毒マスク…それも一般用

サムスン電子とともに韓国内の二大半導体メーカーであるハイニックスでも、白血病などリンパ造血器系疾患による死亡・発病者がサムスンに劣らず現れているという<ハンギョレ>報道以後、ハイニックスの労働者の不安感は一層高まっている。

 SKハイニックス京畿道(キョンギド)利川(イチョン)工場で勤務しているある労働者は3日「サムスンと比較しても決して少なくない人々が白血病のような病気で亡くなっていたという事実に驚いた」として「サムスンのように会社次元での対策が必要だ」と話した。 協力業者のある労働者は「私たちも同じ工場で仕事をしているので、記事を見て心配になった」とし「下請け企業に所属して仕事をしている労働者たちも危険な環境に置かれている」と話した。 パク・テソク SKハイニックス利川工場労組委員長は「報道以後、会社側にリンパ造血器系疾患を病んでいる職員に対する労使共同対策を用意しようと提案している」として「業務上疾患か否かは調べなければ分からないが、労組は道義的な責任を負わなければならないということには共感している」と話した。

 利川工場では先月だけで二度の事故が相次ぎ発生したため、ただでさえ不安感が高まっている状態だった。 先月3日、電気設備を予防整備していた労働者が2万2900Vの高圧電流に感電する事故が起き、2日後の5日にはスクラバー(有害ガス排出浄化装置)に連結された配管内ガスが発火し有害ガスが漏れた。 幸い人命被害はなかったが、41人の生産ライン労働者が病院に搬送されるなど大きな騒動をおこした。 ある労働者は「現場勤務者が以前から火災の危険性を提起していたが、会社は聴こうともしなかった」として「会社は生産量を達成することだけに血眼になっている」と話した。

 会社が実施している安全教育に対する不信感も労働者の不安に一役買っている。 会社側は「役職員全員を対象に定期的な化学物質安全教育を実施している」と言い「特に有害化学物質を直接取り扱う役職員には別途の深化教育を実施している」と明らかにした。 だが、ある女性オペレーターは「化学物質に対する教育はなされているが、率直に言って形式的なものに過ぎない。 ただ紙を配りサインすればそれで終わりだ」として「この物質が何で、それにはどんな有害性があるかということを教えれば、実際問題誰が今のまま仕事をしようとするか」と話した。

 安全装備が不十分だという指摘も出ている。 予防整備を担当するある協力企業の労働者は「故障したスクラバーを整備する時、大量の有害ガスに露出するが、会社が防毒マスクを支給したのは昨年初めからだ。 それも工場で使われる有害物質を除去できるものではなく、一般的な防毒マスクに過ぎなかった」と話した。 会社側は「2011年4月から防毒マスクの着用を義務化し、2012年からは空気を注入する送気マスクに切り替えて、一層安全性を強化した」と明らかにした。 しかし、また別の労働者は「私が勤務しているラインでは送気マスクを見たことがない」として「1,2個だけ用意して支給したと言っても話にならない」と反論した。

利川/オ・スンフン記者 vino@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/649668.html 韓国語原文入力:2014/08/03 20:39
訳J.S(1612字)

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