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化学物質による労災で年平均95人の労働者が死亡

登録:2015-07-05 21:49 修正:2015-07-06 14:57
 下請け多く、杜撰な安全管理が原因

 下請け業者の労働者6人の命を奪った韓火ケミカルでの爆発のような化学物質の事故で、過去10年間で年平均95人の労働者が死亡した。特に最近起きた化学物質関連の事故で死亡した労働者の大半は下請け労働者だった。労働界は、危険業務の外注化と化学物質に対する元請企業の杜撰な安全管理などを、繰り返し起きている事故の主な原因として挙げた。

 民主労総は、1月12日に起きた京畿道・坡州(パジュ)市のLGディスプレイのガス漏れ事故をはじめ、今月3日の韓火蔚山(ウルサン)第2工場の爆発事故まで、今年だけで合わせて13件の化学物質の事故が発生し、16人の労働者が死亡したと、5日発表した。

 雇用労働部が2003年から2013年までに発表した資料「労働災害の現況分析」によると、過去10年間、有害化学・中毒・窒息、爆発・破裂、火災などの化学物質に関連した事故で死亡し、労働災害(労災)を認められた労働者は1045人。これは同期間全体労災事故死亡者1万1098人の9.4%に当たる。毎年95人の労働者が仕事場で起きた化学物質による事故で死亡したことになる。

 特に、最近起きた化学物質による事故の死亡者はほとんど下請け企業の労働者だった。今回の韓化ケミカルの爆発事故で死亡した6人全員が下請企業の所属だ。 4月30日には京畿道・利川(イチョン)市のSKハイニックスのガス漏れ事故で下請け企業の労働者3人が、1月12日には京畿道・坡州市のLGディスプレイのガス漏れ事故で協力企業の労働3人が死亡した。 2014年の新古里(コリ)原発3号機とサムスン電子水原(スウォン)事業場でのガス漏れ事故、2013年に起きた現代製鉄唐津(タンジン)工場やサムスン半導体華城(ファソン)工場のガス漏れ事故の死亡者も、全員下請け企業の労働者だった。

労災による死亡事故のうち化学事故の割合(資料:雇用労働部(2003~2013年)//ハンギョレ新聞社

 

 労働界は下請けと工期短縮に伴う化学物質に対する杜撰な安全管理と工場設備の老朽化のため、化学物質による事故が繰り返し起きていると指摘した。チェ・ミョンソン民主労総労働安全衛生局長は「元請企業は、産業安全保健法に基づいて下請業者に危険な化学物質の情報を提供する義務があるが、下請労働者には関連情報がきちんと伝わっていない」とし「元請事業主の責任を産業安全法に明記し、明確な責任を問わなければならない」と述べた。「仕事と健康」のヒョン・ジェスン企画局長も「工期短縮と業務の効率化だけを重視し、危険な化学物質を扱う労働者の安全が保証されていない」とし「事故が主に起こる工場は、導入されてから30以上の老朽化した設備が稼働しており、事故の危険性が高いにもかかわらず、実態の点検が適切に行われていない」と指摘した。

キム・ミンギョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-07-05 20:12

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/698947.html  訳H.J

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