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セウォル号特調委に遺族が調査申請書、「空白の7時間」での大統領の措置が知りたい

登録:2015-11-22 23:40 修正:2015-11-23 07:05
セウォル号追慕ミュージックビデオ「ネバーエンディングストーリー」の一場面=ミュージックビデオ画面キャプチャー//ハンギョレ新聞社

 セウォル号の惨事で犠牲になった檀園高2年パク・スヒョン君の父親パク・ジョンデ氏(51)は、息子を失って迎えた2度目の秋夕(<チュソク>中秋節)となった9月27日、祭祀の準備を済ませパソコンの前に座った。 その間に集めておいた資料を基にA4用紙17ページに及ぶ調査申請書を書いた。

“政治的”と決めつけ調査を阻む
与党と与党推薦委員に批判の反論
調査申請を受け入れるか今日にも結論

 調査申請書はその2日後に「4・16セウォル号惨事特別調査委員会」(特調委)に提出された。 「被害者」はパク・スヒョン、「加害者」は朴槿恵(パク・クネ)、「事件関連機関」には大統領府と大統領と書いた。 申請書には“大統領の7時間の行跡”等、真相究明が必要な8項目の調査課題を羅列した。 今月19日、海洋水産部が対応文書まで作り、この調査を阻もうとした事実が公開され、偶然にも同じ日に与党推薦特調委員が対応文書の内容通りにこの調査が行われれば辞退も辞さないと脅した。

 「大統領の私生活には全く関心がありません」。パク氏は22日、ハンギョレとの通話でこうはっきり言った。「政治色を帯びた特調委が事故原因の調査をしろと言ったところ、大統領の行跡調査に執着している」との与党と与党推薦特調委員が批判したため、調査を申請した当事者であるパク氏がしたそれに対する返事だ。彼は「私が出した申請書が申請要件に該当すれば調査して、該当しなければしなければ良いだけではないか。(特別な理由もなく)大統領に対する調査はできないと言うのであれば、与党推薦委員が大統領の護衛部隊の役割と見ざるをえないではないか」と反論した。

 パク氏が「大統領府と大統領」に対する調査を要求したのは「(これが)セウォル号の惨事に対する真相究明の始めであり終わり」と感じたためだ。 「事故発生過程から現在まで正常な業務範囲を越えて不適切な介入によりむしろ事態を悪化させたのではないか、徹底した検証が必要だ」と見たわけだ。 彼は「大統領の7時間の行跡は、調査申請書全体の1項目に過ぎず、それも単純に“7時間”について調査してくれと言ったのではない。 全体的な大統領府の対応を調査して欲しいと言っただけ」と強調した。 パク氏は「大統領の消えた7時間より先に論じなければならないことは、被害を最小化するために行った大統領の措置事項」と明らかにした。 彼は「事故当日、大統領府のシステムの運営は常識以下ではなかったか」として「(そうでないならば)違うと堂々と明らかにすべきなのに、それもしようとしない。 これを明らかにするための国民と遺族の努力をことごとく妨害するのは、絶対に調査しなければならないという正当性をむしろ力説すること」と話した。

 パク氏の切迫した願いがかなえられるか否かは23日に決定される。特調委はこの日午前に全員委員会を開き、パク氏が出した調査申請に対して調査を開始するか否かを決める。与党推薦委員が反発した「大統領の行跡7時間」が調査対象になるか否かはこの日議論される予定だ。パク氏は「特調委が大統領と大統領府に対する調査を終えられないこともありうる。だが(調査ができないと言うなら)できない理由については記録に残さなければならないと考える。 できないならできない理由を明らかにしてほしい」と話した。

パク・テウ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/718552.html 韓国語原文入力:2015-11-22 20:06
訳J.S(1573字)

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