登録 : 2015.11.04 02:29 修正 : 2015.11.04 05:44

「佐々江案」程度の解決策に集約 
問題への取り組みを続けることが重要

 朴槿恵(パク・クネ)大統領と安倍晋三首相は2日、韓日首脳会談で「可能な限り早期に慰安婦被害者の問題を妥結するための協議を加速」させるように(両国の外交当局に)「指示」するレベルで、日本軍慰安婦被害者の問題の“解決策”を出した。今年中にこの問題に進展が見られる可能性をほのめかしたのだが、具体的な方策や協議指針をめぐる合意もなく、意味のある結論を出せるかは不透明な状況だ。

 韓日関係の専門家たちは3日、今回の首脳会談が“きっかけ”になったという点に注目していたが、その後の見通しについては全く異なる見解を示した。ハンギョレはチョ・セヨン東西大学日本研究センター所長(元外交部北東アジア課長)、イ・ウォンドク国民大学教授(日本学研究所長)、キム・チャンロク慶北大学法学部教授を電話でインタビューした。

チョ・セヨウン所長 
「韓日関係、膠着から管理モードに 
慰安婦問題、国民を納得させるのは容易ではない 
対立の中の対話、限定的な協力関係が必要」

チョ・セヨン東西大学日本研究センター所長(元外交部北東アジア課長)//ハンギョレ新聞社

■「これからが難しい局面」 

 チョ・セヨン所長は今回の韓日首脳会談について「韓日関係が膠着局面を脱して管理モードへと向かうきっかけとなっただろう」と評価した。チョ所長は「双方は言うべきことを言ったが、冷静で落ち着いて(会談を)行ったのは幸い」としながらも、「双方が慰安婦被害者問題の解決策における違いをどのように狭めて行けるか、また国民が納得できるようなものをどのように見つけられるかなどが困難で、難しい局面はむしろこれからだ」と指摘した。

 彼は「日本が出す解決策が、いわゆる『佐々江案+アルファ』など、今まで議論されてきたこと以上に新しいものにはならないだろう」とし、韓国側にとってより重要なのは「国内でどのようにして納得を引き出せるかということだ」と述べた。「佐々江案」とは、2012年、当時の佐々江賢一郎・日本外務省事務次官が提示した案を指し、日本の首相の直接謝罪、駐韓日本大使の被害者面談・謝罪、日本政府の予算を通じた被害者補償などが主な内容だ。当時、李明博(イ・ミョンバク)政権は不十分だとしてこれを断った。

 チョ所長は今後、韓国政府が「従来の(慰安婦などの歴史認識問題と経済など実益の問題の)分離対応基調に加え、管理モードに切り替わった状態を維持すべきだ」と助言した。 「会話のきっかけを絶やさない一方で、対立と難航を重ねても他方では冷静に協力する、いわゆる限定的な協力関係」が必要だということだ。

イ・ウォンドク教授 
「韓日関係正常化の良いきっかけ 
日本政府が法的責任を認めるのは難しい見込み 
対日外交の方向転換の最後の段階としての会談」 

イ・ウォンドク国民大学教授(日本学研究所長)//ハンギョレ新聞社

■「佐々江案程度の解決策が出される見込み」

 イ・ウォンドク教授は、今回の会談を高く評価した。彼は「韓日関係正常化の良いきっかけになっており、この機会をうまく生かせば、関係改善も可能である」とし「日本が何らかの措置を取らざるを得なくなったため、大きな一歩を踏み出した。日本側(慰安婦被害者の問題と関連して)にある程度のことをして、韓国側がそれを評価すれば、安保・経済などの会話は、さらに早く進むだろう」と見通した。

 イ教授も「協議の加速化の指示」は、現実的に「佐々江案」程度の解決策に集約されるものと解釈した。彼は、「今回の首脳会談の結果を見ると、ある程度(慰安婦問題の解決に)意見の一致を見た部分がある」とし「佐々江案程度の内容を備えた追加措置を行うべきだと言うことに合意したようだ」と述べた。彼は「挺身隊対策協議会など慰安婦被害者ハルモニ(お婆さん)たちが求めるのは日本政府の法的責任だが、この部分は難しいだろう」とし「朴大統領が『最終段階に来ている』と言ったこと自体が、佐々江案に近い誠意ある措置を提案されれば、それを最終段階として捉えるということではないか」と分析した。イ教授は「問題は、私たち(韓国)が満足できるレベルなのかということだが、それは朴大統領が決断する問題だ」と指摘した。

 イ教授は、「今春から韓国政府がツートラック(分離対応基調)を掲げたのに続き、対日外交の転換の仕上げの手順が、今回の首脳会談だった」とし「今、日本が再び過去の歴史問題に誠意がないから、(過去に)戻ると言いづらくなった」と述べた。

キム・チャンロク教授 
「韓日関係正常化のきっかけとは言えない 
進展した慰安婦問題の解決策を提示する可能性低い 
後退した解決案を受け入れて一段落するのは危険」

キム・チャンロク慶北大学法学部教授//ハンギョレ新聞社

■「後退すれば危険高まる」

 キム・チャンロク教授は、今回の首脳会談の結果に最も批判的だ。何よりも、今後展開される状況への懸念が大きかった。キム教授は「協議を加速させるのと解決を加速させるのは全く異なる」とし「首脳会談の結果だけ見ては進展も見られず、韓日関係正常化のきっかけとして捉えるのは難しい」と述べた。

 キム教授は、両国が説得力のある慰安婦被害者の解決策を提示すること自体が不可能という見方を示した上で、「日本は1995年に慰安婦被害者を支援するアジア女性基金が作られた時と、今回の首脳会談の際の態度が同じだ。ただし当時は、慰安婦問題解決の意志が非常に強かったが、今の安倍政権ははるかに退行的だ」と批判した。このためキム教授は「安倍政権が続く限り、1995年の村山談話レベルを超えた解決策を出す可能性は非常に低い」と予想した。

 キム教授は慰安婦問題に取り組む朴槿恵政権の態度に特に懸念を示した。彼は「朴大統領が歴史問題に対する緻密な理解もなく、初期にはあまりにも強いトーンで(慰安婦問題の年内解決を)話して足元を見られた」とし「日本はこれ以上出すことがないとうのに、朴大統領が既存の意志のために成果を迫られるなら、より後退した日本の解決案を受け入れて一段落するなど、袋小路に追い込まれる危険性がある」と懸念を示した。

 キム教授は“長期的な視点”を強調し、こう述べた。「韓国の状況や朝鮮半島周辺の情勢からして、慰安婦問題を短期的に全面浮上させて解決できるような環境ではない。短期的に一定の管理をしながら、この問題への取り組みを続けることが重要だ」

キム・ジンチョル、キム・ウェヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-11-03 19:44

http://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/715779.html訳H.J

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