登録 : 2015.10.22 00:34 修正 : 2015.10.22 07:40

「韓国の支配範囲は休戦ライン以南」主張の波紋

自衛隊を閲兵する安倍首相
 韓国の主権が及ぶ範囲が朝鮮半島の南側に限定されるという日本の基本方針は、実は目新しいものではない。

 日本は1965年、韓日国交正常化会談でも、「韓国が朝鮮半島で唯一の合法政府」という韓国の主張に対して、今回の中谷元・防衛相の発言と似たような反論を展開した。当時、両国政府は異見の差を埋められず、韓日基本条約3条で、1948年12月12日に国連で採択された「韓国政府の承認」決議(第195号(Ⅲ))を援用し、互いに便利なように解釈する方法で食い違う主張の折衷を図った。韓国は国連決議案が「韓国政府が朝鮮半島の唯一の合法政府」という意味であるだけに、韓国の主権範囲が朝鮮半島全域であることを認められたものと解釈した。一方、日本は、国連決議が「韓国が1948年5月に国連の監視下の選挙を行った地域(38度線以南)で唯一の合法政府」という意味であるだけに、北朝鮮の領域に対する韓国の主権を認めたわけではないと解釈した。 2000年代初頭、当時の小泉純一郎首相が金正日(キム・ジョンイル)総書記と2回にわたる朝日首脳会談を進めた際、韓国政府に同意を求めなかったのは、日本政府のこのような主権領域に対する解釈が論理的な基盤になった。

1948年以来、続いた「主権の範囲」をめぐる異見 
韓国「唯一の合法政府、朝鮮半島全域」 
日本「38度線以南の地域だけで選挙行われた」
北朝鮮の国連加盟で韓国の主張の基盤が弱体化 

国防部の「3カ国協議」が自滅策に 
日米、中国牽制への“協力”の強化が切実 
集団的自衛権を口実に「朝鮮半島主権」を刺激 
安保協議枠組みが拡大深化

自衛隊の北朝鮮進出に関する韓日国防長官の立場。左側がハン・ミング国防部長官の発言、右側が中谷元・日本防衛相の発言//ハンギョレ新聞社
 今回、中谷防衛相は「韓国の有効な支配が及ぶ範囲は、いわゆる休戦ライン以南という一部の指摘もある」と表現した。意図的に“領土”や“主権”のような国際法的に敏感な用語を避けたものと見られる。このような主張が「日本政府の公式見解」とも明言しなかった。韓国でこの問題が持つ政治的な敏感性を意識した外交アプローチと解釈される。しかし、「北朝鮮地域は韓国の領土主権外の領域」という基本方針は、明確に伝えたものと見られる。

 韓国政府は、「主権の問題に妥協はない」という立場だ。しかし、このような立場は、北朝鮮が1991年9月17日、韓国と共に国連加盟国となった状況で、国際法的に受け入れてもらえないのが現実だ。中谷防衛相は、この問題を「韓米日3カ国間の協議と協力で解決しよう」と提案した。国防部も「韓米日3カ国安保討議(DTT)の枠組み」で議論し、その過程で韓国の見解を反映するとして、事実上、この提案を受け入れた。

 問題は、韓米日3カ国協議を通じてこの問題を解決していく案が、韓国の意図にかかわらず、韓米日3角安保協力の枠組みに巻き込まれていく近道になるかもしれないという点だ。韓米日3カ国間の議論が、中国の浮上を狙って、米国が主導する3角安保協力強化につながり兼ねないからだ。

 これまでの協議過程は、このような懸念が杞憂ではないことを示している。当初、韓国は今年5月末、シンガポールで開かれた韓米日防衛相会談と韓日防衛相会談で、自衛隊の朝鮮半島への進入問題を「韓米日3カ国安保討議の枠組みで協議すること」を提案した。しかし、日米が議題を3カ国間の国防協力懸案に広げようと修正提案し、自衛隊の朝鮮半島進入問題だけに焦点を当てようとした韓国の意図は外れた。

 国防部は22日から2日間、東京で「韓米日3カ国安保懸案関連実務会議」が開かれたと発表した。この会議は、韓米日がシンガポールで合意した「3カ国安保討議」の枠組みで開かれる初めての会議だ。国防部は「3カ国共同の安全保障の関心事項を議論する予定だ」と明らかにした。具体的な議題は、「事前に明らかにすることはできない」と公開を拒否した。しかし「議題が朝鮮半島に限られているわけではない」とし、今回の会議の内容が自衛隊の朝鮮半島進入問題に限定されないことを示唆した。これと関連し中谷防衛相は前日の韓日防衛相会談に先立ち、「韓日両国の安全保障協力は地域レベルでとどまってはならず、グローバルなレベルに拡大しなければならない」と強調した。日米が中国牽制のための3角安保協力体制に韓国を引き込むのに、自衛隊の朝鮮半島進入に対する韓国の懸念が活用されている模様だ。

パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力::2015-10-21 19:38

http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/713874.html訳H.J

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