教育部が韓国史検定教科書執筆陣の性向を分類して与党に提供した資料の内容が、過去に出された保守団体の討論会資料と酷似していることが確認された。教育部がこの資料の分析枠組みや理念性向の分類方式を借用し、内容だけを書き換えたという疑惑が持ち上がっている。
9日、ハンギョレがチョン・ジンフ正義党議員から入手した2011年の国家正常化推進委員会主催「高校韓国史検定教科書の問題点と対策」という題名の討論会の資料集によると、当時討論会で出た主張の大部分が、教育部が作成した報告書「高校韓国史教科書の分析」と一致した。国正常化推進委員会は「従北・左派勢力の清算」をスローガンに掲げた保守団体で、今回、放送文化振興会理事長に就任したコ・ヨンジュ氏が委員長を務めていた。
資料集によると、「チョガプチェ・ドットトコム」所属のキム氏は高校韓国史教科書執筆陣の理念性向を分析し、「今年新たに発刊された6種の高校韓国史教科書には、多数の左派性向の教授と全教組出身の教師たちが執筆陣に参加した」と発表した。
キム氏は、ミレエンなど6種類の検定韓国史教科書の執筆に参加した教師や教授37人を、全国教職員労働組合(全教組)や民族問題研究所、歴史問題研究所など、加入した団体によって分類した後、「執筆陣の46%が左派」と結論づけた。「国家保安法廃止論」を展開したのも「左翼偏向」に分類される重要な基準の一つだった。これは、教育部がセヌリ党のカン・ウンヒ議員に提供した資料で「2003〜2014年に出版された20種の韓国史高校教科書執筆陣の64.8%は全教組や歴史問題研究所などの革新系団体所属であるか、国家保安法の廃止宣言に参加した革新系の左派性向」としたものと分析の範囲が違うだけで、骨子は重なる。
「天才教育」の韓国史教科書の執筆に参加したチュ・ジンオ祥明大学教授は「ニューライト団体や与党だけがこのように主張するなら、一方の政治的な主張として片付けられるだろうが、一国の政府が、このような報告書を作成したのは情けないばかりか信じられない出来事」だと述べた。チュ・ジンオ教授は当時の討論会で、「李承晩(イ・スンマン)、朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の建国と近代化を肯定した『教科書フォーラム』の代案教科書を批判してきた人物」という理由で、左翼偏向の教授と分類された。
韓国語原文入力:2015-10-09 20:47