韓国政府と与党セヌリ党が「歴史教科書国定化」に対する強力な抵抗と反対世論を無視して国定教科書の導入を強行することを事実上認めた。 教育部は早ければ12~13日頃に国定化を発表するものと見られる。 歴史教科書の国定化は「世界の流れに逆行する退行的発想」という批判が出ている。
与党セヌリ党のウォン・ユチョル院内代表は7日、国会で記者団の「政府は13日に国定教科書の導入を発表するのか」との質問に「方向はその通りだ」と国定化を事実上認めた。 チョ・ウォンジン同党院内首席副代表も「単一統合教科書を作るという立場は明確で、その主体は教育部でなければならない」と話した。政府と与党は「単一国史教科書」に名称を変える方案を検討中と伝えられた。
大統領府関係者はこの日、大統領府春秋館で朴槿恵(パク・クネ)大統領の今年2月の発言を紹介して「教育部は今回の機会に事実に基づいたバランスの取れた歴史教科書開発など、制度改善策を用意すべきということが大統領府の最終的立場」と話した。
政界周辺では国政監査が終わった後の12日、または閣僚会議が開かれる13日頃に教育部が歴史教科書国定化を発表する可能性が高いという展望が出ている。
教科書の国定化には「退行的」「時代錯誤的」という修飾語が伴う。 日帝強制占領期でも検定制で発行されていた国史教科書が、国定に変わったのは維新時期だった。 その後、民主化の影響で2011年になって高校韓国史教科書に検定制が導入された。検定制から更にもう一歩踏み出して認定ないし自由発行制度を準備すべき時に、政府・与党は歴史を逆転させているわけだ。 現在、国定制を主軸として教科書を発行している国は北朝鮮とバングラデシュ、および一部のイスラム圏国家程度に過ぎない。 この他に経済的に困難なために民間で教科書を編纂する能力がなかったり、内戦中の国、一部の独裁国家だけが国定制を維持している。 経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国の中で17カ国は自由発行制を、4カ国は認定制を選んでいる。検定制を根幹としている国は13カ国だが、メキシコとトルコでは小学校だけが国定で、中学・高校は検定と自由発行が中心だ。