登録 : 2015.09.30 04:46 修正 : 2015.10.01 16:05

 発生者数より退院者数で広報誘導し世論を鎮静化

今年5月31日ムン・ヒョンピョ保健福祉部長官がソウル世宗路の政府庁舎の合同ブリーフィング室で、政府のMERS対策を発表している=タク・ギヒョン先任記者//ハンギョレ新聞社

 MERS(<マーズ>中東呼吸器症候群)事態で韓国社会が混乱に陥ったとき、MERSの拡散防止に力を入れるべき政府が市民の関心を逸らすための“広報戦略”を立て、3次感染者の発生をしばらく公開しなかった事実が明らかになった。「大統領の特別指示」でMERS発生病院の名簿を公開したという政府の発表の真偽をめぐり、波紋が広がる見込みだ。

 29日、国会保健福祉委員会所属の安哲秀(アン・チョルス)新政治民主連合議員が保健福祉部に提出させ公開した「MERS毎日状況報告」(5月29日〜7月31日、129件)には、このような事実を含め、MERS事態がピークを迎えた当時、政府の不適切な対処が随所に見られる。

 確定患者150人に達した緊急事態に
 広報戦略会議で関心他に向けるための議論

 3次感染者の確定、4日間隠す
 長官「2次感染として仮説を作れ」

 「大統領が病院の名簿公開を指示」
 数日間先送りや職務怠慢の疑惑も

 ■「確定者・死亡者情報よりも退院患者を報道するように誘導」 

 MERS感染者数が150人に達した6月14日、中央MERS管理対策本部(対策本部、本部長保健福祉部長官)では、当時のムン・ヒョンピョ福祉長官をはじめ、福祉部のチーム長級以上の幹部が全員参加して「広報報道フレームの変更案の模索」をテーマに広報戦略会議が開かれた。この会議に基づいて6月15日午前の対策本部の「毎日報告」には「長官の指示事項」として「死亡者数/発生者数中心の広報よりも、退院患者の日常スケッチ、安心病院、医療現場の声、政策の方向性などのパラダイムを変えて進める必要」が強調された。実際、対策本部は6月15日午前、記者団に配布した報道資料から、これまでとは異なり、題名で追加確定者や死亡者を強調しなかった。記者団に合同取材ができるように、退院患者とのインタビューの機会を設けたりもした。「MERS、乗り越えられる」といった“管制キャンペーン”に市民とメディアの関心を向けようしたのだ。

 ■3次感染患者の発生をしばらく隠した疑惑 

 対策本部は、最初の3次感染患者の発生もしばらく公開しなかったことが明らかになった。女性患者のイ氏が5月29日に感染確定の判定を受け、5月30日に14番目の患者として報告されたが、(しばらくして)名簿から抜けた。対策本部は、3番目の患者と24番目の患者が3次感染者に確定されると、6月3日になってようやくイ氏を「特異群」ではなく、2日に確定された3次感染患者(42番目の患者)だと発表した。イ氏は、平沢(ピョンテク)聖母病院に5月19日に入院したが、最初の確定者の病院入院期間(5月15〜17日)と重ならないにもかかわらず、3次感染者ではなく、しばらく「特異ケース」として分類されたのだ。対策本部の関係者は29日、「当時疫学調査が終わっておらず、状況が確実ではなかったため、すぐに発表しなかった」と釈明した。

 しかも3次感染患者発生の事実が最終確認された6月2日の報告書には、「仮説の設定:平沢聖母病院で急激にMERSが広がった状況(一定空間の中で発生した2次感染であるという点)を広報するように」求める長官の指示が記されている。“後の祭り行政”または“3次感染患者の発生に伴う社会的波紋を縮小しようとした痕跡”の可能性がある。

 ■病院名簿全面公開、大統領の指示であることを確認しない 

 MERSが急速に拡散した6月7日、当時のチェ・ギョンファン首相職務代行は、MERS患者が発生した病院の名簿の公開方針を発表する際、「大統領も6月3日、MERS対応官民合同緊急点検会議で患者が発生した医療機関を透明に通知しなければならないと指示された」と強調した。同日チェ・ウォンヨン大統領府雇用福祉首席も「国民の不安を解消するために最も重要なことは、正確な情報を透明に公開すること」としながら「大統領が強調された」と述べた。

 ところが、対策本部の毎日報告には「VIP(大統領)の指示」は6月9日になってようやく初めて登場する。しかもこれはチェ副首相が強調した6月3日の「特別指示」ではなく、6月8日、大統領が病気管理本部長の報告を受けて指示した事項をまとめたものだ。福祉部と対策本部の“不敬な”職務怠慢ではないとすれば、大統領の「特別指示」が6月3日に行われなかった可能性があることを示唆する。

 政府の病院名簿の公開方針の発表に先立ち、6月4日の夜、パク・ウォンスン・ソウル市長が緊急記者会見を開き、MERS確定判定を受けたサムスン・ソウル病院の医師がソウル市内を闊歩した事実を明らかにしており、政府は「混乱をあおる」として、パク市長を批判した。野党は21日、MERS関連の国政監査で病院名簿の公開に関する真実を明らかにするために、チェ元首席とムン元長官などの証人出席などを求めた。

パク・スジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-09-29 20:09

http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/710699.html訳H.J

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