政府は28日、中東呼吸器症候群(MERS)の事態が事実上終わったと宣言したが、朴槿恵(パク・クネ)大統領をはじめ誰も、不十分な初動対応について謝ったり責任を負う姿勢を示さなかった。野党はこの日、朴大統領の謝罪とムン・ヒョンピョ保健福祉部長官の辞任を求めた。与党でもムン長官の辞任を要求する声が高まっている。
“休暇モード”の大統領府、立場表明せず
与野党、ムン・ヒョンピョ福祉長官辞任要求
野党「朴大統領、謝罪せよ」与党「……」
国会特別委、疾病本部監査を請求
今月27日から5日間の“休暇モード”に入った大統領府は、この日特別な立場を出さなかった。政府も今回のMERS事態の序盤の総体的無能と泥縄式対応による国民被害に対して、この日明確な謝罪の立場を明らかにしなかった。 MERS事態で今日までに死亡者36人、感染者186人、隔離者6000余人が発生した。 ファン・ギョアン首相とムン長官らが国会でMERS事態に関して謝罪したが、朴大統領は今日までいかなる立場も明らかにしていない。
大統領府は朴大統領が現在休暇中であることに加え、MERSが完全に終わったわけではないという点を挙げて、今回の事態に対して大統領が立場表明の有無を明らかにするのは中途半端だという立場だ。 しかし、MERS完全終息宣言は来月下旬以後にも可能だという点から見て、立場表明有無を先送りし続けて国民の関心が消える時まで待つという判断と見られる。
野党はこの日、朴大統領の謝罪とムン長官の辞任を要求した。イ・ジョンゴル新政治民主連合院内代表は、院内対策会議で「事態を初めから顧みて、正確に責任糾明をすることが後続対策の第一歩」と強調した。 キム・ソンス報道官は「事態以後いかなる公式的な謝罪表明もしていない朴大統領の真正性ある謝罪を求める」として「初期対応に失敗したムン・ヒョンピョ長官は責任を負わなければならない」と指摘した。
与党は朴大統領の謝罪に関しては口を閉ざしたが、ムン長官の辞任については野党と同じ意見を出した。国会MERS対策特別委員会委員長であるセヌリ党のシン・サンジン議員はこの日、KBS(韓国放送)ラジオに出演し、「福祉部が初期対応を大きく誤ったため、最高責任者は責任を負わなければならない」として、ムン長官の辞任を求めた。 金武星(キム・ムソン)代表も先月、MERS事態が真っ最中であった当時、ムン長官に向けて「MERSが鎮圧された後、すべての問題に対する責任を問わなければならない」として、「疾病を重くし問題を作った責任は必ず負わせる」と話したことがある。
国会MERS対策特別委はこの日、福祉部と疾病管理本部に対する監査院監査を請求することを議決した。特別委は「監査院監査要求決議案」を採択し、政府の初動対応不良と情報非公開決定過程など事態全般に対する原因糾明、サムスン・ソウル病院でのMERS患者措置とこれに関連した政府対策真相確認および適正性有無などを監査することにした。
大統領府はMERS初期対応に失敗したムン長官の交替を既定事実化し、後任の人選のための検証作業を進めてきたという。ただし、その時期はMERS完全終息宣言以後(来月末に)になるものと見られる。