中東呼吸器症候群(MERS)コロナウィルスに感染して死亡した患者の遺族などが9日、「ずさんな防疫体系に身体的·精神的被害を受けた」とし、政府と地方自治体、病院を相手に損害賠償訴訟を起こした。
経済正義実践市民連合(経実連)と45番目と173番目の患者の遺族と隔離者は、ソウル・東崇(トンスン)洞の経実連講堂で記者会見を開いた後、ソウル中央地裁に訴状を提出した。先月24日に死亡した45番目の患者の妻イ氏(62)など遺族6人は、政府と大田(テジョン)市、建陽大学病院を相手に2億9700万ウォン(約3180万円)の支給を求めた。また、165番目の患者と接触して隔離されたユ氏(78)などの家族3人は、政府と京畿道始興(シフン)市、江東慶熙大学病院に669万ウォン(約72万円)を請求した。先月24日に死亡した173番目の患者の遺族4人は、政府とソウル江東(カンドン)区、江東聖心病院を相手に1億4900万ウォン(約1596万円)の損害賠償訴訟を請求する予定だ。
死亡した173番目の患者の息子のキム氏(48)は、「政府と病院が初期に情報を公開して、感染管理を適切にしていれば、母も感染しなかっただろう」と涙を流した。訴訟代理を務めたシン・ヒョンホ弁護士は「政府と医療機関がマーズ確定者との接触の事実を事前に通知し早急に検査して治療受けるように措置していれば、死亡に至らなかった可能性もある」と述べた。
一方、保健福祉部の中央MERS管理対策本部は、MERSの新規患者が4日続けて発生しておらず、追加死亡者も出なかったと明らかにした。現在MERSの患者は186人、完治者は120人だ。隔離者は前日より122人減った689人だ。
韓国語原文入力:2015-07-09 20:12