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金武星セヌリ党代表が歴史教科書国定化を急ぐ理由

登録:2015-08-31 10:04 修正:2015-08-31 10:49
朴槿恵大統領が26日午前、大統領府でセヌリ党議員全員を招いた午餐会で金武星代表の挨拶の言葉を聞いている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

保守派が支持する「教学社」採択率0%
進歩派との第1次“歴史戦争”で屈辱
保守代表の地位を確保するため
父親の親日行為を消した評伝を出版
「親日を美化するな」との批判も
金代表側「保守・進歩統合が信念」

 与党圏で韓国史教科書国定化の流れを主導する“ツートップ”は、ファン・ウヨ社会副首相と金武星(キム・ムソン) セヌリ党代表だ。金代表は教育部長官のファン・ウヨ副首相に劣らず「統一された歴史教育」が必要であるとし、対国民世論戦に熱を上げている。金代表の“保守本能”と“大統領選挙戦略”が合致した結果と観測される。

 金代表は20日、東国大名誉政治学博士学位を授与される席で、「(現在)若い世代に否定的な歴史観で書かれた敗北主義的な歴史を教えている」として「大韓民国の未来のため、統合・肯定の歴史が書かれるべきだ」と述べた。韓国史教科書を国定化する意志を再び露骨に表現したのだ。同様の発言は光復節を前後して3日に一度繰り返された。「若い生徒たちが否定的な歴史観で書かれた歴史教科書で私たちの現代史を習うのは防がねばならない」(8月17日)。「左派勢力が蠢動して若い生徒たちに否定的な歴史観を植え付けている」(7月31日)などの発言が代表的だ。

 金代表は評議員だった2013年にも“歴史戦争”の中心にいた。親日美化問題を起こした「教学社事態」当時、金代表は「左派との歴史戦争を勝利で終えねばならない」として「近現代史歴史教室」という集いを設け、100人を超す与党議員を参加させた。歴史歪曲・偏向で非難を受けた教学社を“国民企業”と持ち上げ、教科書執筆者などを呼んで直接講演も聞いた。しかし精魂込めた教学社教科書の採択率は0%台に終わり、金代表は左派との歴史戦争“第1幕”で体面をつぶした。

 金代表のこうした歩みには「大統領選挙プラン」が作用したのではないかとも観測される。政治評論家のユ・チャンソン氏はハンギョレとの通話で「金代表は世論調査で(与党の次期大統領候補選好) 1位を走っているが、(非朴槿恵<パク・クネ>系としての)大統領選挙への道には朴槿恵大統領との(不便な)関係が障害物になっている」と指摘し、「(過激な右偏向の発言を通して)朴大統領の承諾・同意なしでも自ら保守陣営の大統領候補としての代表性を確保しようとする、一種の大統領選挙戦略に思える」と語った。

 親日疑惑が提起される父親との関連性に注目する視線もある。偶然にも金代表が“左派勢力の否定的な歴史観”を集中的に批判していた15日、父親のキム・ヨンジュ元全南紡織会長の評伝『河を渡る山』が出版された。評伝ではキム・ヨンジュ元会長の親日行為は消され社会貢献活動だけを浮び上がらせ、野党から「父親の親日を美化するな」と批判された。金代表に近いある関係者は「金代表の父は親日派ではなく、歴史問題を大統領選挙に活用しようとする意図もないと思う」として「今のように保守・進歩が分裂していては大韓民国には未来がないので、必ず統合しなくてはならないというのが金代表の信念」と強調した。

 来月の「2015年改正教育過程告示」に先立ち、教育部が韓国史教科書国定化を最終決定する場合、金代表とセヌリ党が強固な支援勢力になる可能性が大きくなるものと見られる。セヌリ党幹部は「(先月22日の高位級「党政青」=党・政府・青瓦台=会合で)ファン副首相と金代表は認識を共有していると思う」として「政府が(国定化に対する)立場を最終的に整理すれば、政府と与党は同じ意見を出すことになるだろう」と語った。

ソ・ボミ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-08-30 20:14

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/706630.html 訳Y.B

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