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[インタビュー]親日民族反逆行為者の子孫らが社会を掌握

登録:2015-08-16 23:40 修正:2015-08-17 07:31
“永遠の光復軍”チャン・ジュナ先生長男のチャン・ホグォン氏
故チャン・ジュナ先生の長男チャン・ホグォン氏 =リュ・ウジョン記者//ハンギョレ新聞社

「朴大統領は家族の親日行為に対して国民に謝罪すべき」
金武星セヌリ党代表の「父親の行跡美化」には「恥を知れ」
「既得権を享受してきた親日民族反逆行為者の子孫は
再び“李完用”になりうる」
「真の光復は外勢の影響を受けずに自主独立と統一が必要」

 「真の光復は外勢の影響を受けずに自主独立と統一がなされてこそ可能です。光復70周年を迎えて独立運動を行う精神で自主独立の歴史を再び書かなければなりません」

 「永遠の光復軍」と呼ばれるチャン・ジュナ先生(1918~1975)の40周忌を迎えて、チャン先生の長男であるチャン・ホグォン氏(66)は「光復70年は過ぎたが、首都のど真ん中に外国の軍隊が駐留し親日派の子孫が政治、経済、社会全般を掌握しているなど、真の光復をむかえられずにいる」と所感を明らかにした。

 チャン氏は今月14日、ハンギョレとのインタビューで「民族の未来のために、日帝に忠誠をつくした親日民族反逆行為者らを明確に整理しなければならない。 彼らを最小限支配勢力から追い出して、正統性ある勢力が国を導かなければならない」と強調した。 チャン氏は「独立活動家の子孫は70年間ひっそりと過ごした反面、親日民族反逆行為者の子孫らは既得権を享受してきた。彼らは再び李完用になりうる」と話した。

 朴槿恵(パク・クネ)大統領の実妹パク・クンリョン氏の最近の“親日発言”と関連して、チャン氏は「血書で日帝に忠誠を誓った満州軍官学校出身の父親、朴正煕に洗脳されて骨の髄まで親日であることがあらわれた。 朴大統領は沈黙せずに家族の親日行為に対して対国民謝罪をすべきだ」と主張した。 彼は「ホン・ヨンピョ議員(新政治民主連合)は「私の先祖は親日派だった」と告白し許しを乞うた。 また、ウ・ジャンチュン博士(1898~1959)は乙未事変の時に明成(ミョンソン)皇后殺害事件に加担した父親ウ・ボムソンの罪を償うために良い地位も拒んで生涯を農業研究に没頭し、国民を飢えから抜け出させる業績を残した。 家族の妄言に対して謝罪すらできないのなら、大統領の資格はない」と付け加えた。 パク・クンリョン氏は最近、日本のマスコミとのインタビューで「天皇陛下」という称号を繰り返し使い、「靖国神社参拝を問題にするのは内政干渉だ」、「日本に慰安婦問題について謝罪を度々要求するのは不当だ」という趣旨の発言をして物議をかもした。

2008年8月15日、朴正煕元大統領夫妻の墓地で開かれた陸英修氏34周忌追悼式に参加した朴大統領一家。話を交わしている朴槿恵大統領とパク・クンリョン氏。その横にはパク・ジマン氏と夫人のソ・ヒャンヒ弁護士も見える=資料写真//ハンギョレ新聞社

 2007年、李明博前大統領とのハンナラ党大統領候補競選の時から、朴槿恵大統領の大統領選挙出馬に反対したという彼は「朴槿恵自体が憎いというより、父親の親日反民族行為と軍事独裁を恥ずかしいと考えウ・ジャンチュン博士が歩いた人生のように、国家と国民に奉仕して静かに生きることを願った。 結局、憂慮したとおり親日・独裁勢力が復活し大韓民国の歴史を後退させた」と話した。

「独立運動を何故したか」
「日本支配のおかげで近代化」等
最近の若い世代の歴史認識に遺憾を吐露

 彼は金武星(キム・ムソン) セヌリ党代表の父親の行跡美化論議に対しても「日本に忠誠を尽くした人を独立軍や愛国志士であるかのように脱皮させようとするのは、手の平で天を隠そうとすること」として、「ホン議員のようにはできなくとも、親日反民族派の子孫としてこれまで享受してきた既得権を恥ずかしいと思わなければならない」と話した。

 全国を巡って「大韓民国が進まなければならない道」について招請講演をしてきたチャン氏は、「民族の正統性がない親日反民族勢力が国家を管理し、犯罪事実を隠すために真実と歴史を歪曲させてきた。 歪曲された歴史を習った若い世代から『独立運動を何故したか』という話が出て来て、さらに『日本が支配しなかったなら近代化が難しかった』という話まで出てきている」として、歴史を正しく知ることの重要性を強調した。

 彼は「父親が光復軍になることを決心して臨時政府を訪ねて行ったのが26歳の時だった。父親が意を成し遂げられずに亡くなった時、自分の年齢が26歳だった」として、「光復70年と父親の40周忌を迎えて、心が複雑で息苦しく今後すべき仕事がさらに増えそうだ」と話した。 最近、韓国独立有功者協会事務総長職を辞めた彼は、来月ソウル麻浦(マポ)にチャン・ホグォン近現代史問題研究所を開き、本格的に自主独立と統一問題にかかわる予定だ。

 10月頃にはチャン・ジュナ先生の抗日手記『トルペゲ(石枕)』後編を発刊する計画だ。『トルペゲ』は、祖国光復のために一生を捧げたチャン・ジュナ先生の回顧録で、中国 徐州の日本軍兵営から脱出し臨時政府光復軍に身を投じた6000里大長征と1945年11月に臨時政府がソウルに戻るまでの2年にわたる独立運動活動状況が含まれている。 『トルペゲ』後編は、チャン先生が残した肉筆原稿を基に、資料と記憶を探して解放以後の李承晩(イ・スンマン)政権の乱脈様相、朝鮮戦争、『思想界』発刊、4・19革命、5.16軍事クーデターに続き、維新撤廃100万人署名運動まで、チャン先生の目を通して眺めた韓国現代史の明らかにしたとチャン氏は説明した。

朴正煕独裁に抵抗し疑問死に到ったチャン・ジュナ、二人の宿命的対決は1945年8月の最初の出会いの時から始まっていた。 チャン・ジュナ(左)は光復軍第3支隊所属の陸軍中尉、朴正煕(右)は日帝の傀儡国である満州軍の陸軍少尉として北京で解放をむかえた=資料写真 //ハンギョレ新聞社

 チャン・ジュナ先生は朴正煕政権に対抗して維新撤廃運動を行い、1975年8月17日京畿道抱川(ポチョン)の薬師峰で疑問死した。 政府は転落死と発表したが、2013年3月チャン・ジュナ先生死因真相調査共同委員会は「外部加撃による頭蓋骨陥没」が死因という遺骨精密鑑識結果を出した。

 チャン先生の死の真実を明らかにするため、2013年12月文在寅(ムン・ジェイン)新政治民主連合代表とチョン・ウイファ国会議長など、与野党議員104人が「チャン・ジュナ疑問死など真実糾明と正義実現のための過去事清算特別法案」(チャン・ジュナ特別法)を共同発議したが、朴槿恵政権とセヌリ党の無視により法案は未だ国会安全行政委員会に係留中だ。 チャン氏は「国会で一日も早く特別法を制定し、公権力によって犠牲になった無念の死の真実を明らかにすることを願う」と話した。

 一方、チャン・ジュナ記念事業会とチャン・ジュナ特別法制定市民行動は17日、京畿道坡州市炭県面のチャン・ジュナ公園でチャン・ジュナ先生40周忌追悼式と第1回チャン・ジュナ追慕文学公募展授賞式を執り行う。

パク・ギョンマン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/704592.html 韓国語原文入力:2015-08-16 18:00
訳J.S(3132字)

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