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韓国教育部が教科書部署を増員…韓国史教科書国定化の布石か

登録:2015-01-15 22:27 修正:2015-01-16 08:13
研究士13人、異例の“集団部署配置”
教育課程業務5人から30人に増やし
国定教科書発行の“編修局”を連想させる
教育部「文系理系の統合に備える」と釈明
朴正熙政権が1974年に検認定から変えた中高等学校国定国史教科書。国定教科書に変わる前には中学校で11種、高等学校で11種の国史教科書など22種あった多様な国史教科書を国籍のある教育という名目の下に一冊に統合した。//ハンギョレ新聞社

 教育部が最近、小中高の教育内容と教科書の改編を担当する専門職公務員を大幅に増やしたことが確認された。 文系理系統合教育課程の業務のためと言うが、生徒に教える核心内容である教育課程に対する国家の統制を強化する退行的処置だという指摘が出ている。 さらには、「韓国史教科書国定化転換に備えた布石ではないか」という疑いも提起されている。

 13日、教育部の職制改編や人事内容によれば、教育部は今月7日、市・道教育庁から選抜した教育研究士13人を教育課程政策部署に配置した。 彼らは教育課程・教科書業務を担当し、少なくとも7年以上勤務することになる。 教育部はこれに先立ち昨年8月、教育課程の改正及び教科書開発業務の専門職(教育研究士)定員を増やしておいた。

 これで、昨年2月には5人に過ぎなかった教育課程・教科書関連業務担当の人員は30人に増えた。 すでに奨学官や研究士など14人の派遣を受けたのに続いて、今回採用した13人(2人は派遣者と重複)も配置した結果だ。 教育部は、従来の創意教授学習科も教育課程運営科に名前を変えた。

 教育部の教育研究士13人の充員過程には、異例な点がいくつかある。 彼らの業務は通常掲げる初等中等教育政策の推進といった包括的な内容ではなく、「教育課程および教科書分野」に限定されている。「最低7年以上の勤務」や「直ちに任用」という条件を掲げたことも前例がない。 研究士13人をすべて一部署に発令したのは2010年以降初めてだ。

 専門職の大幅増員と集中配置は、教育部が直接国定教科書の監修・発行を管掌していた1980年代までの“編修局”を連想させる。 教育部は90年代以降、教育内容の激変と世界的な傾向などを考慮して教科書を「国定から検認定に」転換してきており、韓国教育課程評価院が主に実務を担当してきた。

 しかし、2013年、誤謬および偏向指摘の多かった教学社版教科書『高校韓国史』の国史編纂委員会の検定合格をきっかけに、徐南洙(ソ・ナムス)元教育部長官らは、韓国史教科書の国定化推進をほのめかしてきた。 黄祐呂(ファン・ウヨ)社会副総理兼教育部長官もこの8日、「歴史は同じように教えなければならない」として、韓国史の国定化推進に賛成の意を表わす発言をしている。

 教育部は「韓国史教科書の国定化」とは関係ないと釈明した。 教育部のパク・ジェユン創意人材政策官は「文系理系教育課程統合に備えて、各科目別に人材を確保した。 韓国史の国定化は確定されたわけでもなく、それとは関連もない」と話した。

 しかし、昨年9月、教育部は「2018年から高等学校で、文系理系の区分なしに統合社会を導入する」として、国定教科書の発行を検討対象に含めており、これに対し、野党・教育団体などは「韓国史まで国定化しようとする宣戦布告だ」と強く反発した経緯がある。

 正義党のチョン・ジヌ議員は「教科書編修組織の復活や歴史教科書の国定化転換のための布石ではないかという疑いを持たざるを得ない」として「歴史学界の懸念、世界的傾向、国民世論を無視して韓国史教科書の国定化を強行してはならない」と話した。

イ・スボム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/673534.html 韓国語原文入力:2015/01/14 08:43
訳A.K(1539字)

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