韓国と北朝鮮が20日、京畿道漣川郡(ヨンチョングン)の休戦ライン一帯で砲撃を交わし、21日に株価が暴落し社会不安心理が広まるなど、朝鮮半島危険指数(コリアリスク)が急上昇している。 軍事力と経済力の全ての面で優位に立つ韓国側が断固たる対応と柔軟な対話で老練に危機を管理し、南北の葛藤を解消すべきだと提言され始めている。
砲撃衝突後、南北間の緊張は一層高まっている。 金正恩北朝鮮労働党第1書記は20日夜、労働党中央軍事委員会非常拡大会議を緊急招集し前線地帯に「準戦時体制」を宣言した。 朴槿恵(パク・クネ)大統領も21日午後、京畿道龍仁(ヨンイン)の第3野戦軍司令部を訪ねて「断固たる対応」を軍に注文した。
経済はまともに影響を受けた。21日、KOSPI株価指数は米国の金利引き上げ予告、中国の景気鈍化とも相まって年内最低値(1876.07)に下がった。北側が「北朝鮮向け放送を継続すれば軍事的行動」をすると警告した期限(22日午後5時)が近づき、市民の不安感も高まっている。 この日午後、江原道楊口(ヤング)で異常物体の軌跡が軍のレーダーに捕捉されたが機械のエラーであることが確認され胸をなで下ろす場面もあった。 だが、2000年代以前のような「買い占め」現象は現れないなど、成熟した対応も確認されている。 北側より優位な南側の軍事力と総体的国力に対する信頼があるためと解釈される。
「強硬対応と対話のツートラック戦略
戦線を拡大しない節制力が必要
戦わずに勝つ道を探すべき」
「北も関係改善を挙論する状況
北朝鮮国防委-韓国大統領府代表が
懸案一括妥結の転機とすべき」
だが、専門家たちの間では南北関係が最悪の状態まで悪化した中で、軍事的緊張がこのまま急騰すれば、偶発的衝突が局地戦水準に拡大する可能性があるという憂慮が出ている。 こうなった場合、「コリアリスク」が臨界値を超え、そうでなくともグローバル変数に脆弱性を見せている韓国経済に致命打を加えかねないという展望も提起されている。
そのために韓国側が徹底した軍事的対応体制を整えると同時に、主導的に危機局面からの脱出を模索すべきだとする意見もある。 ヤン・ムジン北韓大学院大学校教授は「対話を通じた問題解決は、弱さではなく強さの表示」として、「軍事的緊張で被害を多く受けるのは北朝鮮ではなく韓国であるだけに、頑丈な対備と対話というツートラック戦略で北朝鮮の挑発を抑制しなければならない」と話した。 チョン・ソンジャン世宗(セジョン)研究所統一戦略研究室長も「北朝鮮の挑発は明確に懲らしめるものの、前線を過度に拡大させない節制ある対応が必要だ」と提言した。
具体的には、北側がひとまずキム・ヤンゴン労働党書記名義で「現事態を収拾し関係改善の道を開くために努力する意志がある」という書簡を送っただけに、「和戦両面作戦」と疑いつつも、政府がこれを積極的に活用する必要があるという提案が出ている。 チョン・ウクシク平和ネットワーク代表は「北朝鮮が“関係改善”を挙げたのは、危機を高めた後に南北関係を改善させるための反転の契機を作ろうとする意図でもある」として、「韓国としては北朝鮮の意図を逆利用して危機高調局面を抜け出す側に状況を導く必要がある」と話した。 ヤン・ムジン教授は「北朝鮮国防委代表と韓国側大統領府の代表(キム・クァンジン安保室長)が参加する高位級会談を持ち、韓国と北朝鮮が解決を望むすべての懸案をテーブルにのせ一括妥結するなど、今回の機会を南北関係局面転換の契機として活用することによって国民の不安を解消させねばならない」と話した。 北側もまた、無謀な軍事行動で対北朝鮮不信と敵対感を拡大しないよう一歩後退しなければならないという指摘も各方面から出ている。