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教員の早期退職者増やし青年雇用拡大…韓国教員団体が政府対策に猛反発

登録:2015-07-28 23:32 修正:2015-07-29 08:11
必要なのは「学級当たり生徒数」を少なくする教員増員策

 政府が教師の名誉退職(早期退職)を増やし青年雇用を拡大すると発表し、教員団体や予備教師たちの反発が強まっている。数年内に定年退職する教師を操り上げ名誉退職させる“朝三暮四”式の姑息な方法との理由からだ。 教員の増員により学級当たりの生徒数を少なくする根本的解決法で仕事も増やすべきだという声も出始めている。

青年雇用対策と教師採用拡大。 資料:教育部など //ハンギョレ新聞社

 政府が青年雇用の崖の解消対策として、2016~17年に採用すると27日発表した公共部門4万人のうち1万5000人は、教員の名誉退職を増やして採用する新規教員数だ。 だが、このうち1万1000人は、年間平均名誉退職教員数5500人の2年分だ。 定年退職教員は来年5400人(小学校2800人、中学校2600人)程度だが、それだけ新規教員を採用することになっている。 教員需給安定のために採用しなければならない働き口をもって「新たな青年雇用創出」とは見難い。仮に政府の計画どおりになっても、実際に増える最大規模が4000人に過ぎないのに、1万5000人の働き口を増やすかのように“膨らませ”たという陰口が絶えない。

 教員の名誉退職の拡大は「下の石を抜いて上に石を積む」ごまかしに過ぎないと批判される。定年退職予定者を2~5年程度早く退職させる誘引策であれば、2018年以後は定年退職教員がそれだけ減ることになる。 名誉退職教員は教師の自尊心低下、公務員年金不安などにより最近急増している。 2013年5370人、14年5533人で、今年は上半期だけで6851人となり歴代最高の8700人に達すると予想されている。 韓国教総は「50代の教師が一挙に辞めることによる教育現場の空洞化が憂慮される」といった理由から反対している。 だが、教育部は「壮年層の教師と若い教師の好循環効果」を前面に掲げて推進する姿勢だ。 名誉退職手当て(1人当り平均1億8000万ウォン程度)などの財源準備問題も難題だ。地方教育財政交付金の減少で今年の名誉退職手当てなどは地方債で賄っているのが実情だ。

 時間選択制転換教師を年に250人ずつ増やし、教員の新規採用余力を作るという方案に対しても批判が尽きない。 規模は小さいものの、教員の勤務形態の安定性を損なう潜在的破壊力のためだ。 学校協業システムに混乱を起こすなど、教職に適合しないという指摘が相次いでいる。 教育部が今年3月初めて試験運用したが、今までに全国で30人しか申請していない。 全国教職員労働組合イ・ヨンギ政策室長は、「時間選択制で不安定雇用を増やすなど、政府が労働市場の構造改悪に乗り出している」と指摘した。

 放課後学校の講師4000人雇用方案は、“短期非正社員”を憚ること無く増やすという批判が出ている。 農山漁村などの小中高2000校に放課後講師を1人ずつ配置し、固定給講師料(月144万ウォン)を支援するという。だが、1年10カ月だけ勤める短期契約職であり、正社員転換の保障もない。

 韓国教総などの教員団体は、教育の質を決定する“学級当たり生徒数”を少なくする教員増員政策を要求した。 韓国の学級当たり生徒数は、小学校25.2人、中学校33.4人で、経済協力開発機構(OECD)平均(21.3人、23.5人)に至らない。これを上位水準になるよう減らすという朴槿恵(パク・クネ)大統領の大統領選挙公約を履行せよとの注文だ。

 “予備教師”の東国大生イ・キュラン氏(28、国語教育4)は、「教師の総定員は変えずに名誉退職教員を増やすというのは単なる弥縫策だ。今からでも多くの期間制教師の正社員転換、学校統廃合中断、学級当たり生徒数縮小のような対策が伴わない限り、政府の対策は信頼できない」と話した。

イ・スボム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/702184.html 韓国語原文入力:2015-07-28 20:14
訳J.S(1734字)

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