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韓国の悲しい雇用現実

登録:2015-07-23 23:51 修正:2015-07-24 19:58
 最初の就職先見つかるまでの期間は長く
 就職しても不安定な雇用の可能性が高い
 同じ職場に留まる期間は短くなり
 所得がなく「80歳まで働きたい」
高齢層(55~79歳)労働市場の実態。資料:統計庁////ハンギョレ新聞社

 同じ職場に留まる期間は短くなり、最初の就職先を見つけるまでの期間はますます長くなっている。高齢者は、足りない収入を補うために引退時期を先送りし、若年層は不安定な雇用に身震いながら就職準備にのみ力を入れている。

 23日、統計庁が発表した「2015年の経済活動人口調査、若年層と高齢層の付加調査」が示している若年層・高齢労働市場の一断面だ。この資料によると、高齢層(55〜79歳)1183万4000人のうち722万4000人(61.0%)が今後も仕事を続けたいと答えた。また、勤労を希望した人々が望む引退時期は平均72歳だった。年齢層をさらに細かく分けてみると、75〜79歳の希望退職年齢は81歳、70〜74歳は78歳だった。

 80代前半まで仕事を続けようとする回答が高齢者層から多く出てきた理由は、安定した収入がないか不足しているためとみられる。一例として、年金所得がない高齢者が全体の半分以上、650万7000人(55.0%)に達することが分かった。高齢層で年金未受給者の割合は、関連調査が始まった最初の年である2008年(70.1%)以来3〜4年は減少を続けたが、2013年(53.1%)以来3年連続で増加している。実際仕事をしたい理由として「生活費の足しにするため」を挙げた回答の割合が1年前より3%ポイント増の57.0%となった。しかし、「働く喜び」や「他にやることがないから」仕事をするという人は、それぞれ2.9%ポイント、0.3%ポイントずつ減少した。

 同じ職場で勤務する期間が短くなったのも、高齢層が労働市場を離れられない主な原因だ。一生で最も長く務めた職場の平均勤続期間は14年9.4カ月で、1年前より7カ月ほど短くなった。調査が始まった2006年に比べ、2年6カ月も減少した。老後のための財産形成の期間が短くなっているわけだ。

 仕事を辞めた理由としては、半分近くが「事業不振、操業中断、休・廃業」(34.1%)と「勧告退職、名誉退職、整理解雇」(10.5%)を挙げた。 「仕事を辞める年齢になったと思って」(2.6%)と「定年退職」(8.1%)を挙げた回答は10%にも満たなかった。ほとんど本人の意志とは関係なく長く務めていた職場を離れたという意味だ。

 若年層(15〜29歳)は、卒業と就職を先送りして労働市場の周辺をうろついている。 3年制以下を含む、大卒者の平均卒業所要期間は4年1.5カ月で、1年前に比べて0.1カ月増えた。関連の調査を開始した2007年(3年10.2カ月)に比べ、3カ月も長い。休学経験がある若者の割合も、2007年の36.3%から今年4は0.3%で、4%ポイントも上昇した。若年層では7%(63万3000人)ほどが就職を準備しており、中退を含め卒業後の最初の職場を見つけるまで、平均11カ月がかかることが分かった。 2006年に比べて最初の就職にかかる期間が1.3カ月も増えたのだ。

 最初の就職に成功したとしても、勤務する期間は1年7カ月に止まった。やっと就職先を見つけたものの、再び労働市場の周辺部に後ずさりしているということだ。最初の職場を辞めた理由として、「報酬と労働時間などの労働条件に不満」(47.4%)と答えた若年層が圧倒的に多かった。実際最初の就職先の40%は、契約または臨時採用であることが分かった。

世宗/キム・ギョンラク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-07-23 19:51

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/701564.html  訳H.J

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