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企業の団体協約まで介入する雇用部…“労使自律”切り崩し

登録:2015-06-25 09:21 修正:2015-06-25 09:42
労働組合に批判的な世論を作り出す意図
雇用労働部//ハンギョレ新聞社

実態分析資料を出して是正命令予告
唯一交渉団体規定にブレーキ
「経営に労組同意」も問題視
国際労働機構提訴は気にもとめず
政府の労働柔軟化主導に批判

 政府が大企業の団体協約(団協)に対する問題提起を本格化させた。個別企業の労働条件を決める就業規則変更要件の緩和に続き、団協まで政府が直接介入し、労使自治の土台を壊し政府主導の労働柔軟化政策を展開していると批判されている。

 雇用労働部は24日、「売上額上位30社の大企業団体協約実態分析」という資料を出し、「組合員子弟などの優先採用規定があるのが11社(36.7%)、法律上の複数労組が保障されているのに唯一交渉団体規定があるのが10社(33.3%)。人事・経営権に対する労組同意(合意)条項があるのは14社(46.7%、重複適用)に達する」と明らかにした。雇用部は優先採用規定と唯一交渉団体規定は違法だとし、8月末までに労使の自律改善を誘導し、その後は是正命令に出ると明らかにした。

 これに先立ち二大労組は14日、スイスのジュネーブで開かれた国際労働機構(ILO)総会で政府を提訴するなど強力に反発しており、政府が団協是正措置を強行策に出たのは、労働組合に批判的な世論を作り出す意図があると分析される。例えば、企業が優先採用規定を適用して採用した規模は多くないことが知られており、この条項のために青年雇用問題が悪くなったとは見難い。唯一交渉団体規定は、それ自体が現行の「労働組合および労働関係調整法」の強行規定違反であり、複数労組の設立の制約要因にならない。あってもなくてもいい条項を口実に、「既得権を守る労組」の批判世論を形成しようとしていると指摘される理由だ。

 雇用部はこの日、人事・経営権に対する労組の同意条項も「企業の競争力を弱める」と不合理な規定として選んだ。だが、該当条項の労組同意対象は、主に社員転換配置や外注化、整理解雇、希望退職など主要な労働条件の変動に関する事項だ。雇用部のこうした手法は、就業規則を変えて賃金ピーク制を導入する際に、いわゆる「社会通念上の合理性」 6要件を備えれば労働者過半の同意がなくても、変えた就業規則の効力を認めるとする最近の歩みと一脈通じる。雇用部は8月頃に一般解雇要件と関連したガイドラインまで出すという。

 チョン・ムンジュ韓国労総政策本部長は「就業規則不利益変更要件を緩和しようとする政府方針は、賃金ピーク制に終わらず他の労働条件の柔軟化問題まで拡張される」と指摘し、「団協など労組の抵抗手段を除去し、労働市場柔軟化設計を終えるつもりだ」と語る。参与連帯労働社会委員会委員長のイム・サンフン漢陽大教授(経営学)は「労使が自律的にどんなルール(規則)を決めても、雇用部が不合理だと判断すれば介入することになる」とと批判した。政府主導の労働柔軟化で労使自治の領域が切り崩される憂慮が高まっている。

チョン・チョンフィ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-06-24 21:59

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/697392.html 訳Y.B

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