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セウォル号、終わることのない苦痛の実体

登録:2015-07-16 01:09 修正:2015-07-17 08:03
 4・16人権調査団「セウォル号被害者」45人の肉声採録を公開
セウォル号船体引き揚げと真相究明を要求し、セウォル号犠牲者家族と市民がソウルの光化門広場で座り込みを始めて1年になる14日、遺族とボランティアメンバーがテントなどを手入れしている=イ・ジョングン記者//ハンギョレ新聞社

 「セウォル号惨事は人権が沈没した事件だ」

 4・16人権実態調査団(人権調査団)が2月から5カ月間のセウォル号事故の犠牲者45人の肉声を採録して下した結論だ。人権活動家や社会福祉士、医師、作家、弁護士、学生など46人で構成された人権調査団は、死亡した生徒や教師の親、生存生徒と一般人、行方不明者の家族はもちろん、救助に参加した民間潜水士、ボランティア、珍島(チンド)の漁民まで「目立たない被害者たち」にも会った。

 人権調査団は15日、ソウル・中区のフランシスコ教育会館で開かれた「人権実態調査報告書:セウォ号惨事、人権から記録する」の発表会で、「なかなか治癒されないトラウマを抱えて生きていくにもかかわらず、真相究明の動きさえも監視と査察、集会・デモの自由の侵害などにつながった」と述べた。また救助される権利▽安全に労働(救助)する権利▽事故の情報と処理過程を知る権利▽集会・デモの自由▽リハビリや哀悼、記憶の権利などを剥奪されたと指摘した。

 生存学生から遺族、潜水士まで
 5カ月間あまねく会って報告書作成

 「なかなか癒せないトラウマ抱えて生きていくのに
 真相究明の動きさえ監視・査察」

 救助受ける権利、安全に働く権利
 哀悼と記憶の権利など奪われる

「セウォル号の傷」に苦しめられている人たち(1)//ハンギョレ新聞社

 約220ページの報告書は、被害者を苦める精神的・肉体的・社会的・経済的苦痛が「権利の剥奪」に伴うものであることを、被害者たちの生の声を通じて伝えている。

 生存生徒の親は、子供の苦痛をこのように伝えた。「水の中で友達に足首を握られたのに、振り切って出てきた子供たち、手を握っていた友達が皆水に流された子供たちですからね...(友人がセウォル号の)トイレにいるのを見て、出て来るように手を伸ばしたのに怖いと言って出てこなかったそうです...トイレに行ったらその子のことを思い出すと言って...」。死亡した檀園高校教師の親は「周りから『(補償金が)30億〜40億ウォンずつ出るのか。もう貰ったのに、またいくらもらおうとするのか』と言われた。本当に胸を抉るような言葉」だと話した。

 遺族や行方不明者の家族ではなくても、激しい苦痛に悩まされている人たちがいる。救助と死体収拾に参加した民間潜水士は「数十、数百体を見たから...中には(学生が着ていた)アディダスジャージを見るだけで、気が狂ってしまいそうだと言うほど」だと話した。ある珍島漁民は「しばらくの間、精神科の治療を受けた。照明弾と飛行機の音がひどくて眠れなかった」とし、他の漁民も「目を閉じると悪夢ばかり見る」と吐露した。

「セウォル号の傷」に苦しめられている人たち(2)//ハンギョレ新聞社

 救助されたトラック運転手は「生存者は犠牲者よりも少数で、一般人の生存者は生徒よりも少ないため、『私に哀悼して追悼する権利があるのか』と思ったりもした。時々、車に轢かれて死ぬか、怪我をして病院に入院していたらよかったのにと思う」と話した。他のトラック運転手は「政府に学資金の援助を問い合わせたところ、公務員に『あなたは生きているでしょう』と言われて衝撃を受けた」と話した。

 報告書は「被害者の治癒と回復に対する権利保障の要求は、“お金目当ての被害者”という烙印として返ってきた。哀悼と記憶の権利は『もう忘れてもいい頃だから、やめなさい』という強要の声にかき消されてしまった」と述べた。報告書の作成に参加した茶山人権センター活動家のパク・チン氏は「政府はこの惨事に対応できる能力がないことが確認された。実態調査は、市民の生命と安全の保障を求める『4・16人権宣言運動』の根拠として使用される」と述べた。

キム・ギュナム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-07-15 21:26

https://www.hani.co.kr/arti/society/rights/700485.html  訳H.J

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