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「遺族に催涙液入り放水銃…私たちは国民ではないようだ」

登録:2015-05-04 19:23 修正:2015-05-05 08:00
セウォル号事故遺族など
「1泊2日汎国民徹夜行動」終える
アムネスティは緊急論評
「過度な警察力使用は恐ろしい程だった」
メーデー労働者大会に参加した労働者及び416セウォル号国民連帯主催の1泊2日行動に参加した市民団体会員や市民たちが1日夜、青瓦台に向けて行進しようとすると、ソウル安国交差点で警察が車壁で道を塞ぎ放水車を動員して水を浴びせている=イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

 「政府は昨日も今日も巨大な公権力を行使して、しきりに無気力感を与えようとしている。 しかしこの政府が分かっていないことがある。 こんなふうに抑圧すればするほど、一層多くの人々の心に真実への疑問が生まれ、一層連帯して手を取り合うようになるという事を」

 セウォル号事故遺族100人余と「4月16日の約束国民連帯」(4.16連帯)は2日午後3時10分、ソウル光化門(クァンファムン)広場で、 4.16セウォル号惨事特別調査委員会(特調委)の独立性を毀損する政府のセウォル号特別法施行令案を直ちに廃棄し、特調委が提案した施行令案を受容れることを促す「1泊2日汎国民徹夜行動」を締めくくるに当たり、このように発言した。彼らは「政府施行令案を廃棄せよという声を青瓦台に伝達しようと思ったが、警察の車壁、放水銃、カプサイシン催涙液などに象徴される非常に高い不疎通の壁に遮られた。しかし、それでも私たちは真実を引き揚げ、ゴミ同然の施行令の廃棄を要求する動きを止めない」と明らかにした。

 故チェ・ソンホ君の父親チェ・ギョンドク氏は「車壁の向こうに警官隊がいて、その向こうにまた高い防御壁を備えた車両が見えた。この1年間感じて来た絶望をまた痛感した。しかし私たちは大統領の返事を聞くためにまた行進します。それが親としての当然の義務だと思う」として「青瓦台へ行って尋ねて見たい。いつでも尋ねて来なさいと言った朴槿惠(パク・クネ)大統領の約束が守られることがこんなに難しいとは思わなかった」と言った。

メーデー労働者大会に参加した労働者と4・16セウォル号国民連帯が主催した 1泊2日行動に参加した市民団体会員や市民が1日夜、青瓦台に向けて行進しようとするとソウル安国交差点で警察が車壁で道を塞ぎ放水車を動員して水を浴びせている=イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

 1日夜、鍾路区の安国駅交差点でカプサイシンを混ぜた高圧放水を行ない、カプサイシン催涙液をデモ隊の顔などに向け直射した警察の「度を越した対応」を糾弾する声が続いている。チェ・ギョンドク氏は「市民に向けて無差別に高圧放水するのを見て、家族たちが何とか阻もうとして前に出たけれども、家族たちにも同様に放水攻撃する警察を見てまたも絶望を感じた」と言った。故イ・ギョンジュさんの母親ユ・ビョンファ氏は「国民の安全のために努力すべき警察が遺族を罪人扱いして放水車で押さえ付けるのを見れば、私たちは大韓民国の国民じゃないようだ」と言った。セウォル号追悼文化祭などで人権侵害監視団として活動している「民主社会のための弁護士会」(民弁)のソン・アラム弁護士は「昨日の警察の対応を見て、政府がセウォル号遺族と市民を政権の敵と見ているのでなければこんな対応ができようかと、驚かずにいられなかった。警察は違憲論議のある車壁を設置し、無届け集会であっても現存する明白な脅威がなければ解散命令を下すことができないにも拘らず、数十回解散命令を下した。憲法と法律に違反した違法な公務執行にあたる」と話した。 ソン弁護士はさらに「警察がカプサイシンを混ぜて高圧放水を行なったが、濃度がどれほど高かったのか、安国駅交差点にいた人々皆が苦痛を訴えた。民弁ではその原液を回収して分析中だ。乱用の強度を判断する予定だ」と付け加えた。

 これに先立ち、正午に光化門広場で記者会見を開いた汎国民徹夜行動参加者も「警察は車壁とカプサイシン、さらに普通の高圧放水では飽き足らずに催涙液をいっぱい混ぜた高圧放水を遺族に向かって噴射しまくった。子どもと家族を亡くして 1年以上涙を流して来た遺族たちは、濃度さえ見当のつかない催涙液を浴びなければならなかったし、苦痛を訴えていた。水泡ができた人もいた」と明らかにした。

 4.16セウォル号惨事家族協議会のチョン・ミョンソン運営委員長は「真相調査委を無力化する政府施行令案を受け入れれば、私たちが死んでも子供に会わせる顔がない。 政府施行令案廃棄のために闘う」と明らかにした。

 遺族と4.16連帯は1日午後6時頃、安国駅交差点から青瓦台に向かって行進を試みたが、警察の車壁に遮られるとその場で夜を明かし、2日午後2時40分頃、ようやく光化門広場に到着した。

 1泊2日の汎国民徹夜行動の過程でデモ隊と警察の衝突により、デモ隊42人が恵化(ヘファ)署、蘆原(ノウォン)署、城東(ソンドン)署、江東(カンドン)署、松坡(ソンパ)署、恩坪(ウンピョン)署、銅雀(トンジャク)署、瑞草(ソチョ)署などに連行された。

 一方、国際アムネスティはこの日緊急論評を出して「過度な警察力使用は恐ろしいほどだった。 公共の安全に何の脅威も与えていない全体的に平和なデモ隊を相手に、催涙液まで混ぜたと見られる放水銃を使って解散させなければならない理由がどこにあるか。韓国警察が不当な警察力使用を自制することを要求する」と明らかにした。

キム・ギュナム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/689503.html 韓国語原文入力:2015-05-03 08:58
訳A.K(2402字)

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