朴槿恵(パク・クネ)大統領が6月30日、国家情報院を非公開に訪問し、主要幹部に会い業務報告を受けたことが確認された。 朴大統領が国家情報院を訪問したのは、2013年2月の就任以来初めてだ。 大統領府側は「儀礼的な訪問」と拡大解釈を防いだが、任期の折返し点を控えた朴大統領が“親政体制”を強化するため、検察に続き国家情報院を活用しようとする意図があるのではないかという疑いもある。
12日、大統領府と国家情報院関係者たちの話を総合すれば、朴大統領は先月30日午後ソウル内谷(ネゴク)洞の国家情報院庁舎を訪問し、イ・ビョンホ国家情報院長と1・2・3次長、企画調整室長など国家情報院の局・室長級の人々に会った。 イ・ビョンホ院長が朴大統領に15分ほど主要業務事項を報告し、朴大統領は北朝鮮の金正恩体制の“恐怖政治”により高位層の北朝鮮離脱が続くなど北朝鮮体制の不安定性が高まっているとし「北朝鮮情報をよく収集し、経過をよく調べること」を注文したと参席者は伝えた。 朴大統領は国家情報院庁舎に30分間余り留まったという。
朴大統領は就任以来、公開はもちろん非公開の業務報告次元でも国家情報院を訪問したことはなかった。 金大中(キム・テジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)、李明博(イ・ミョンバク)大統領が就任した年に国家情報院を公式訪問したこととは全く異なる行動だった。大統領選挙当時に国家情報院の大統領選挙介入論議が争点になったうえに、朴大統領就任以後に検察の捜査過程で国家情報院の大統領選挙介入がますます具体的になった点などと関係があると思われる。
朴大統領が国家情報院を訪問した6月30日は、ユ・スンミン前セヌリ党院内代表の去就問題を巡って与党内の緊張が高まり、朴大統領もやはり中東呼吸器症候群(MERS)の対応の不備と拒否権発動などで支持率に打撃を受けた時期でもある。 セヌリ党のある要人は、「6月30日はMERS事態が相変らず続いていた時で、あえて最初の訪問を非公開にする理由はないように見える」として、「任期後半を控えて情報機関の“司正活用”に乗り出した」と解釈した。 大統領府側は国家情報院の創設記念日(6月10日)に合わせた激励訪問を延期しただけだとし、拡大解釈を警戒した。 大統領府関係者は「国家情報院の創設記念日頃にあわせて6月初めに訪問しようとしたが、MERS対応を優先し先送りした」とし、「国家元首の情報機関訪問は非公開で行うことが礼儀」と明らかにした。