登録 : 2015.07.08 01:42 修正 : 2015.07.08 06:59

朴槿恵大統領(左)とユ・スンミン・セヌリ党院内代表(右) //ハンギョレ新聞社

 「セヌリ党の未来と朴槿恵(パク・クネ)政権の成功に向けて『院内代表に対する辞退勧告決議案』を採択するため、明日の午前9時、議員総会を招集することにしました」

 7日、金武星(キム・ムソン)代表の大きな体から、淡々とした声が聞こえてきた。ユ・スンミン院内代表が何を誤ったのか、彼が辞任すれば、セヌリ党の未来がどのように開かれるのか、朴槿恵政権はどのように成功するのかについて、一切説明しなかった。 「名誉ある退陣を求めたのに、最終的に議員総会まで開くことについて、どう思うか」という記者の質問に、彼は答えることなく、会場を後にした。

 勝負はとっくに決まっていた。朴槿恵大統領に勝てる人は誰もいない。正しいから勝つのではなく、勝った者が正しいのだ。このような現実を子供たちに何と説明したらいいのか。恥ずかしい。

 ユ・スンミン院内代表は何を誤ったのだろうか。この日の朝「セヌリ党忠清圏国会議員緊急連席会議」という大層な会議の結果をイ・ジャンウ議員が発表した。

 「党と政府と大統領府が渾然一体となって国政を安定的に運営するため、ユ・スンミン院内代表が大乗的見地から自らの去就を表明するのが望ましいとのことで意見の一致を見た」

 やはりユ・スンミン院内代表は何を誤ったのかについての説明がない。簡単に言えば、大統領の怒りを買った不敬罪を犯したので、辞退しろという話だろう。不敬罪は正邪を問わない。高い人が善で低い人が悪の状態だ。

 リーダーシップ発揮すべき大統領が
 戦いと勝負に没頭している現実
 経済も政治も暗澹たる見通しだけが..
.

 朴槿恵大統領は勝負師だ。政党代表のときは、朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領に対する郷愁と悲恋の王女コスプレで民心を掴んだ。大統領になってからも「一人愛国論」と「野党責任論」で、選挙で勝利している。与党内部の権力争いが起きると、今度は絶対者の力と恐怖という武器を振り回している。戦いの技術をどこから学んだのだろうか。自伝を開いて見た。

 「新堂(シンダン)洞に住んでいた頃には、近所の友達と砂袋遊び、お手玉、ゴム飛び、かくれんぼなどを楽しんいたが、そのたびに勝負欲に燃えて本当にのめり込んでいた。 (中略)ゴム飛びで最後まで生き残るために、顔が真っ赤になって息を切らしながらジャンプしていた。(中略)私はガキ大将にはぴったりだった」

 女子高時代の体育大会の写真の説明には、このような表現も出てくる。

 「勝負欲が強い私にとって運動の時間は、ガキ大将の気質を発揮するのに、最適の時間だった」

 生まれつき勝負欲が強いということだ。そうかもしれない。ところが、大統領府生活18年と隠遁の歳月を経て、その勝負欲が異常に歪んでしまった。ユン ・ヨジュン元環境部長官の回顧だ。

 「当時20歳そこそこの朴槿恵大統領が、自分の父と同年代の社会著名人を集めて忠孝について講演をしていました。私はその姿を見ながら無礼で生意気だと思いました」

 「ソーシャルコンテキスト、つまり社会的文脈を捉えられないまま、指導者になったのです。父の言葉がすなわち法だった時代と隠遁生活を経て、朴槿恵大統領は民主的な価値を受け入れられるだけの経験をしていませんでした」

 およそ見当がつく。 6月25日の閣議で、ユ・スンミン院内代表に裏切り者の烙印を押していた瞬間、彼女は「独裁者朴正煕」と「維新王女」に憑依された状態だったようだ。

 もちろん、最近の事態をすべて朴槿恵大統領の“統治スタイル”のせいにすることはできない。すべての政治的・社会的事件には含意がある。チョン・ドゥオン議員は「旧態依然たる保守」と「改革保守」の軋轢とみなす。過去指向勢力と未来志向勢力のパワーゲームという見方だ。一理ある。

 朴槿恵大統領を支える「無条件的な支持層」がある。大邱(テグ)・慶尚北道と60代以上の有権者だ。彼らは朴槿恵大統領への憐憫と総合編成チャンネル(大手保守紙系ケーブルテレビ)で提供する論理という鉄の鎧を身に着けている。セウォル号の惨事でも、マーズ(MERS)事態でも支持を撤回しなかった。朴槿恵式に表現にすると、一度も“裏切らなかった”。今後もそうだろう。

 そのような見方の延長線上で、これを機にセヌリ党を「正統保守党」と「改革保守党」に分けようという主張がある。中大選挙区制に変えて多党制システムを導入しようということだ。実現できるだろうか?できないだろう。セヌリ党は、1997年の分裂で政権を逃した。10年野党の口惜しさが骨身に沁みている。政権を逃さないためなら、すべてを犠牲にできる。金武星代表とセヌリ党議員の屈従はまさにこの地点から始まる。集団離党や新党結成はもちろんのこと、選挙制度の改編もないだろう。

 政局はどうなるのだろうか?セヌリ党議員の見通しはこうだ。

 「朴槿恵大統領の意向を訊いて、新しい院内代表を推戴することになるだろう。今、このような雰囲気の中で選挙はできない。セヌリ党は大統領府の汝矣島(ヨイド)出張所に、党代表と院内代表は大統領の部下に、確実に転落するだろう」

 来年の総選挙はどうなるのだろうか?首都圏と嶺南(慶尚南度と慶尚北道)議員の見通しは、ここで分かれた。首都圏では悲観論、嶺南ではまだ楽観論が優勢だ。楽観論の根拠は野党の不振だ。

 選挙はそのようになるとしよう。政治はどうなるのだろうか?大韓民国はどうなるのだろうか?専門家は、日本の20年長期不況を、韓国も経験するだろうと懸念し始めた。

 国と国民がこのような状況に陥っているのに、政治的リーダーシップを発揮しなければならない大統領は、戦いと勝負だけに没頭しているのが、私たち(韓国)の現実だ。

 朴槿恵大統領の一生は神話と非常に似ている。王の死、追い出された王女、隠遁と苦行、女王の帰還などの表現で彼女の人生を描くことができる。神話の結末はどのようなものになるだろうか?

 「女王は権力の座に上がってからも戦いとギャンブルを楽しんだ。女王はいつも勝利した。その間、民は飢饉に苦しんだ。王国は乞食でいっぱいになった」

 こんな風に終わるのではないか?心配だ。

ソン・ハンヨン政治部先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-07-07 20:00

http://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/699264.html 訳H.J

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