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韓国大物武器商に逮捕状、潜水艦導入で300億円以上荒稼ぎ

登録:2015-07-02 07:29 修正:2015-07-02 11:21
海外に100億円超を隠した疑いで合同捜査団が逮捕状請求

海軍中佐出身、「栗谷不正」などに関与
海軍兵器の80%独占仲介との噂も
証拠残さず手書きメモとサウナで密談
アン・ギソク元海軍作戦司令官も起訴

チョン・ウィスン //ハンギョレ新聞社

 防衛事業不正政府合同捜査団(団長キム・キドン検事長)が発足して7カ月目にして大物兵器仲介商の不正容疑を確認し逮捕状を請求した。強大な影響力で一つの事業から不正に得た手数料だけで3000億ウォン(約330億円)に達し、海外に隠した資金も1000億ウォン(約110億円)を超えるものと把握され、合同捜査団のロビー捜査がどこまで拡大するのか注目される。

 合同捜査団は1日、予備役海軍中佐で潜水艦導入事業を独占してきたチョン・ウィスン氏(76)に対し、兵器仲介料として受け取った3000億ウォンのうち約1000億ウォンを国外に持ち出して隠した容疑(特定経済犯罪加重処罰法の国外財産逃避・外国為替取引法違反など)で逮捕状を請求した。チョン氏が潜水艦導入を仲介する過程で請託を受け数億ウォンの金品を受けた容疑(特定犯罪加重処罰法の斡旋収賄)でアン・ギソク元海軍作戦司令官(64、予備役中将)を拘束して起訴した合同捜査団は、チョン氏が元・現職軍幹部を相手に行ったロビーがまだあるか集中調査している。

 合同捜査団の捜査結果、チョン氏は海軍がドイツ業者のHDWとMTUから1200トン・1800トン級潜水艦およびエンジンを導入するよう仲介した代価として3000億ウォン近い仲介手数料を受け、このうち約1000億ウォンを香港など海外に持ち出したことが明らかになった。

 チョン氏は海軍で大物武器仲介商として知られる。海軍士官学校17期(1959年入学)出身でベトナムにも派兵された彼は、軍需分野に従事して1977年に予備役編入となり、ドイツの陸・海上兵器エンジン製作会社の韓国支社長で勤め、83年に故郷の江原道江陵市鶴山里の名を取った鶴産実業を設立して武器仲介業を始めた。

 ドイツと海事を背景に活動舞台を広げた彼は、1993年の「栗谷不正事件」に関与しその名が軍外部にも知られた。当時、韓国型駆逐艦事業に参加するためキム・チョルウ元海軍参謀総長に3億ウォン(約3300万円)を渡した事実が明らかになり懲役1年6カ月執行猶予3年を宣告された。

 「海軍兵器の80%以上を独占仲介する」と言われるほど絶大な影響力を持つ彼は、栗谷不正事件後は“周辺管理”を徹底したと伝えられる。重要な内容はコンピュータの代わりに手書きでメモし、録音を避けるためサウナで事業の密談をしていたという。

 だが、チョン氏は2004年、海軍人事不正に関連して再び捜査線上に上がった。軍検察はチョン氏宅を家宅捜索して手書きの「財産目録」を確保したという。租税回避先など様々な国の銀行の名前とそこに保管された現金資産の内容が記されていたのだが、その規模は数千億ウォン台になるという。チョン氏は2006年にUBMTECを設立して事業を受け継いできた。合同捜査団は発足と同時にチョン氏を内偵調査して彼が持ち出した財産が様々な国を経ている情況をつかみ、該当国家に司法協調を要請してある状態だ。

 チョン氏の軍首脳部ロビーは最近、アン・ギソク元作戦司令官が拘束され一部が露呈した。米通信社ブルームバーグは2011年10月、「ドイツMTUアジア支社がチョン氏に支給した3990万ユーロの仲介料が賄賂として使われた可能性がある。チョン氏が現場実習教育名目で韓国軍関係者をアジアのリゾートに接待して高価な贈り物をした」という趣旨の報道をした。

 この報道でドイツMTU本社が会計法人に監査を依頼するなど、契約持続が危うくなると、チョン氏はアン元司令官に頼み「現場実習教育は肯定的効果だけがあり、これ以外の要素はなかった」という海軍監察室長名義の文書を受け取り、ドイツ側に提出していた。チョン氏は以後、アン元司令官に激励金と顧問料名目で1億7500万ウォン(約1900億円)を渡したと調査されたが、賄賂でない斡旋収賄は供与者処罰条項がなく、アン元司令官だけが拘束起訴された。

ジョンファンボン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-07-01 21:24

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/698462.html 訳Y.B

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