情報艦・高速艦から統営艦まで
海軍士官学校出身“ロビー人脈”明らかに
艦艇生活内の厳格な上命下服が
信じて賄賂を与える関係に変質
現政権から任命され最近まで海軍を率いていたファン・キチョル前海軍参謀総長(58・海士32期)が拘束された。
チョ・ユニ ソウル中央地裁令状専門担当部長判事は22日午前1時、「犯罪疑惑が十分に存在し拘束の理由と必要性が認められる」として、ファン前総長の拘束令状を発行した。 これに先立ち防衛事業不正政府合同捜査団(団長 キム・キドン)は、ファン前総長が2009年に防衛事業庁艦艇事業部長として仕事をし、統営(トンヨン)艦の音波探知機に問題があるという報告を受けながら、これを握りつぶし装備導入を押し切るよう指示したという当時防衛事業庁実務者らの陳述を基に、業務上背任・虚偽公文書作成などの疑いで拘束令状を請求していた。
ファン前総長の拘束は象徴的な意味を持つ。 現政権から任命され先月まで海軍の最高首長として仕事をしてきた“事実上の現職”であるためだ。 また、合同捜査団の捜査が現職の軍最高位要人など“聖域”も避けはしないという信号を送ったと見ることができる。
ファン前総長は昨年4月、セウォル号事故が起きるとすぐに現場に常駐し海軍の救助業務を総指揮したが、結局セウォル号事件が契機となって不名誉な退陣をした後、拘束までされる立場になった。 ファン前総長の拘束は昨年11月に合同捜査団が発足した契機になった統営艦不正事件に“決着”がつけられたという意味もある。
海軍は沈痛なムードだ。 ある提督は「理由はあるだろうが、金を受け取ったわけでもないのに(直前の参謀総長を)拘束までするとはひどすぎないか」と話す。 だが、合同捜査団の捜査過程で海軍士官学校同期と先輩後輩間の人脈がロビーに活用されたという“素顔”があらわれ、海軍としては弁解の余地がなくなった状況だ。 海軍は艦艇生活の特性上、将校間の上命下服関係が陸軍や空軍に比べて一層厳格だが、このような生活で結ばれたどろどろした縁が結局“彼らだけの取り引き”に悪用されていたわけだ。
代表的な事例が海軍情報艦装備導入事業だ。 チョン・オクグン元総長は海軍高速艦のエンジン導入不正で拘束された状態であり、海軍情報艦装備導入当時に6000万ウォン(1円=9ウォン)を受け取った容疑(特定犯罪加重処罰法のわいろ)で2日に追起訴された。 チョン元総長はドイツの情報収集装備を海軍情報艦に導入する代価として海士29期同期であるイ・ビョンムン予備役准将(61)からわいろを受け取ったことが調査された。 合同捜査団による捜査の結果、イ氏は業者側に「装備納品のためにチョン元総長に挨拶する金が必要だ」として、1億ウォンを受け取り実際に装備納品が進行された後の2009年に二度にわたりチョン元総長に6000万ウォンを渡したと調査された。
海士人脈が金品ロビーの通路として悪用された事例はこれだけではない。 チョン元総長は海軍高速艦のエンジン導入などの代価としてカン・トクス元STXグループ会長から子息の会社を通じて7億7000万ウォンの広告費を受け取った容疑で拘束され裁判を受けているが、二人を連結したのはユン・ヨン元海軍作戦司令官(66・海士25期)だった。 活発な言論寄稿などで広く知られたユン元司令官側は、ソウル中央地裁刑事21部(裁判長 オム・サンピル)審理で16日に開かれたこの事件の初公判準備期日で「チョン元総長から(金をくれという)話を聞き、その話をカン会長に伝達」したことを認めた。
この他にも統営艦に導入された音波探知機の性能評価書をねつ造した疑いで海士34期の予備役少将出身のイム元海軍戦力分析試験評価団長(56)とその直属の部下だった予備役大佐キム氏(57)が最近拘束されもした。