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増税・福祉政策が気に入らない朴大統領、与党院内代表を「裏切り者」扱い

登録:2015-06-29 08:04 修正:2015-06-29 14:26
なぜ朴大統領はユ院内代表を責めたてるのか
6月29日ハンギョレ漫画 チャン・ポングン //ハンギョレ新聞社

 セヌリ党のユ・スンミン院内代表が公開の場で朴槿恵(パク・クネ)大統領に「申し訳ない」と謝っているのに、朴大統領はなぜ彼を与党院内代表の座から引きずり下ろそうとするのか。

 大統領府のある幹部はこう分析する。「ユ・スンミンは英敏だが、政策に対する基本的な考えが朴大統領と合わない人だ。政治は考えが違っても一緒にできるが、政策はそうはいかない」。別の大統領府幹部は「来年の総選挙を控え与野党の誰も増税問題を持ち出すことができないが、ユ院内代表だけは増税が必要だと自分の所信を押し通している」と指摘する。

 与党院内代表は政府の政策推進で中心的な役割を果たす役職なのに、ユ院内代表は大統領府と政策的所信が異なるため、今後もずっと大統領府とぶつかるほかはないと見ているのだ。「大統領に申し訳なく、大統領府の人たちともうまくやる」というユ院内代表の話も、葛藤を和らげることはあっても自分の所信を変えるというものではなく、以前と変わらないというのが大統領府の判断だ。ユ院内代表の任期中、考え方の違いで葛藤が続く場合、朴大統領にはいつのまにか任期4年目を迎えるいらだちも重なる。明確な国政成果も出せない状況で年末からは党の関心が来年総選挙に傾くほかない。こうなれば政府が国会の協力を受けるのはさらに難しくなるだろうという現実的判断も、朴大統領の頑強な態度に影響を及ぼしたと見られる。

与党院内代表協力なしでは
政府政策の推進困難
今後も衝突不可避と判断
「経済協調しない」との朴大統領の叱咤に
ユ院内代表、繰り返し謝りながら
「最善を尽くした」と逐次反論

 大統領府内では4月の国会交渉団体代表演説を機に、ユ院内代表は戻ることができない河を渡ったと考える視角が多い。ユ院内代表は2月の就任直後から朴大統領の大統領選挙公約である「増税なき福祉」の修正を示唆し、「党が国政の中心に立つだろう」と宣言したのに続き、4月8日の交渉団体代表演説ではさらに踏みこみ、「増税なき福祉は虚構」と大企業に対する租税公平性確保と中間層への増税などを公式に言及した。事実上、朴大統領が前面に出した大統領選挙公約と国政運営基調に反旗を翻し、真正面から攻撃したのも同然だ。

 当時の演説は、すでに朴大統領の警告後にされたものなので、朴大統領の激昂を誘うしかなかったという。朴大統領はこれに先立つ2月9日の首席秘書官会議で「(経済活性化努力なしで増税をするのは)国民を裏切ることになるではないか」「税金をかき集めるのは一時的に点滴注射を打つようなもの」と断じ、当時増税問題に火をつけた与党の金武星(キム・ムソン)代表とユ院内代表に公開的に警告を放ったことがある。朴大統領は当時も今回のように「裏切り」という言葉を使った。

 ユ院内代表は政府と朴大統領が言及を避ける高高度防衛ミサイル(THAAD)配備を公論化しなければなければならないと主張し、大統領府と別の対応もしていた。院内代表当選以前だった昨年の国政監査時は、政府の外交混線を叱責し「大統領府の小僧どもがやったことか?」と大統領府を鋭く批判し話題となった。

 朴大統領が25日の閣僚会議でユ院内代表を狙って「働き口の法案や経済興し法案は国会に3年も足止めされている」「与党の院内指令塔が経済興し関連国会になにか協調を求めたのか疑問」と批判し、ユ院内代表は翌日、朴大統領に謝罪しながらも「経済活性化法も30法案のうち23法案を処理し、国会の事情で野党が反対すれば少しも動けない現実で最善を尽くした」と反論した。与野党関係の現実や与党の役割と関連して朴大統領とユ院内代表の間の認識の差がそれだけ大きいという点を見せつけている。

ソク・ジンファン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-06-28 22:18

https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/697911.html 訳Y.B

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