「背筋が寒くなった」
25日午前、大統領府で開かれた閣僚会議に参加したある要人が伝えた会議の雰囲気だ。 会議を始めて朴槿恵(パク・クネ)大統領は16分程度、準備された原稿を読みあげていったが、国会と与党批判がほとんど(12分)を占めており、そこで朴大統領の声のトーンが特に上がったという。 その表情は今思い出しても怒りの表情が歴然としていた。 また別の参席者は「この間に国会や与野党の法案処理遅延に対して積もり積もったものが一気に爆発したようだ」と話した。
この日の原稿はほとんど朴大統領が一人で準備したと見られる。 大統領府関係者は「参謀と別途の会議はしなかった。一人で悩みに悩んだ上で(この日の発言を)準備したようだ」と伝えた。 そのためか朴大統領はこの日の発言で背信感や自己憐憫など、個人の感情に関する語彙を濾過なく使い、口語体の文章も少なくなかった。「来年の総選挙までも通過させずに、偽りの民生法案の皮をかぶせて引きずろうとしているのか訊ねたい」、「(国会法改正案の与野党合意について)何を考えているのか理解できない」として、この間抱いてきた本音をストレートに表わした。
特にセヌリ党のユ・スンミン院内代表と与党の責任を質す部分では、背信感を隠さなかった。 「政治的信義は守られなかった」、「旧態政治」、「信頼を裏切る背信の政治」などの激しい感情を直接的に吐き出したが、“選挙の女王”であった自身を回想したように「私のおかげで議員バッチを付けておきながら、今になって私の意に従わないと言うのか」という認識を表わしたように見える。
しかし、朴大統領はこの日、この間政界が要求してきた中東呼吸器症候群(MERS)事態への不手際な対応に対する謝罪も遺憾表明もしなかった。与野党を問わず大統領の謝罪を要求している中で“大統領謝罪”がMERS初期対応失敗の責任を抱え込んだり、レイムダック状況につながりかねないという憂慮のためと見られる。 その代わり、この間強調してきた「デマ取り締まり」と「経済的打撃」を繰り返し強調した。 朴大統領は「MERSから抜け出すために、国際社会と協調して最大限の努力をしている」として「今国民に不安を増幅させ、心理的刺激を与える発言を控え心理的安静をとれるようにしなければならず、経済に悪影響を与えることを防がなければならない」と強調した。