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最後のお別れもできず...MERS「離散家族」に二重の悲しみ

登録:2015-06-17 23:57 修正:2015-06-18 14:25
 マスクなど着用して看取り
 死体エンバーミングできず密封入館
 隔離され火葬後葬儀
MERS感染の拡大で部分的な病院閉鎖措置が下されたソウル・逸院洞のサムスンソウル病院で17日午後、救急救命室関係者が救急車を消毒している=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染で20人が死亡した中、隔離されたまま最後のお別れすらまともにできず、家族を見送らねばならない一部遺族たちに対し、周囲から同情の声が上がっている。

 17日、保健福祉部の中央MERS管理対策本部(対策本部)の説明によると、政府は「感染症の予防及び管理に関する法律」に基づき、病気の拡散を防ぐために感染症で死亡した人の死体を管理しなければならない。同時に突然のお別れに戸惑いと悲しみを隠せない遺族の心をケアするのも保健当局の役目だ。対策本部は、「患者の最後の準備から死亡者の遺体処理、葬儀までのすべての手順を遺族と協議して支援している」と明らかにした。

 MERS患者の状態が不安定になると、病院はすぐに家族に知らせ、最期を看取るかどうか尋ねる。家族が望めば、マスクや防護服などの個人保護具を身に着けて病室で患者の最後の姿を見守ることができる。突然死亡した場合、亡くなった後にも、保護具を着用して体を確認し、医療スタッフの説明を聞くことができる。

 キム・ジュヨン対策本部の緊急支援チーム長は、「遺族が望む場合、皆でMERS感染者の最期を見守った。直接目で見て医療スタッフの説明を聞けば、遺族も患者の死亡経緯などをよく理解することになる」と述べた。家族も隔離され看取れなかった人もいた。対策本部は、「個別の病院が(この方針をよく知らず)そのように応対している場合もあるが、隔離者も保護具を身に着ければ、家族の最期を看取ることができる」と説明した。

 患者が亡くなった後も、家族が最後の礼を尽くすことは難しい。感染症で死亡した人の死体はエンバーミングできず、そのまま「防水用バッグ」に入れられる。汚染を防ぐために二重に密封した後、そのまま入館する。法的に埋蔵が禁止されているわけではないが、周辺の人への感染を防ぐための措置が事実上不可能なため、葬式を管理する保健担当者は遺族に火葬を勧めている。

 一般的な葬式は葬儀、火葬、奉安の順で行われるが、MERS患者は家族も隔離措置の対象となり、「離散家族」となる場合が多く、遺族と協議して、まず火葬を進めた後、隔離が終われば、家族が集まって葬式を行っている。

ペク・スジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-06-17 20:11

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/696470.html  訳H.J

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