16日、韓国水力原子力(韓水原)理事会が国内最初の原子力発電所である古里(コリ)1号機の廃炉を確定したことで、原発解体が当面の課題となった。特に数万年から数十万年まで放射能管理が必要な高レベル放射性廃棄物の使用済み核燃料の処理問題が直ちに悩みの種に浮上した。原子炉から取り出した使用済み燃料棒は、原発の中に一時的に貯蔵されているが、古里1号機の解体が終了する前に貯蔵場所がなくなる。国内には汚染された手袋と部品など、中・低レベル放射性廃棄物処理施設が慶州(キョンジュ)市にあるだけで、使用済み燃料棒のような高レベル廃棄物を別に集めて中間貯蔵したり、永久処分する施設はないため、これから議論を本格化しなければならない。
2017年に古里1号機稼働停止したら
少なくとも5年冷却後、解体本格化
高レベル放射性廃棄物の処理が課題
中間貯蔵施設の建設か
永久処分施設の建設かの議論急がれる
「永久施設候補地2020年公論化」
公論化委員会の勧告、あまりにも遅く非現実的
古里1号機は2017年6月に稼動が中断されると、原子炉から使用済み核燃料を取り出した後、解体を準備することになる。使用済み核燃料は、現在の一時的な貯蔵施設として利用するプールの形の湿式貯蔵施設で少なくとも5年間冷却する。本格的な解体作業は、プールで冷やされた使用済み核燃料をプール外の他の施設に移してから始められる。早ければ2022年までには、原発の構造物の放射能毒性を洗い流す除染作業の前に、使用済み核燃料の処理方法を決めなければならない。
隣接する新古里原発などの貯蔵施設に一時的に移し保管することも考えられるが、これにも限界がある。産業通商資源部が設置した民間諮問機関の「使用済み核燃料を公論化委員会」が今月11日に発表した内容によると、古里原発は2016年、ハンビット原発は2019年、ハヌル原発は2021年に貯蔵施設の容量が飽和状態に達する。同じ敷地内に余裕のある施設に移動するか、使用済み核燃料棒をぎっしりと配置する稠密貯蔵台を設置したとしても、ハンビット原発は2024年、ハヌル原発は2026年、古里原発は2028年まで飽和を先延しできるだけだ。重水炉型原子力発電所の特性上、使用済み核燃料をより多く排出する月城(ウォルソン)原発の1次飽和は2019年だ。今後使用済み核燃料をどのように処理するのかに関する具体的な計画なしには、古里1号機の解体も順調には進まないものと見られる。
使用済み核燃料の公論化委員会は、恒久的な処分施設を早急に建設すべきだと勧告した。委員会は、「使用済み核燃料を直接処分するとしても、再処理の過程を経て廃棄物の量を減らすとしても、どちらも高レベル放射性廃棄物が排出されるため、処分施設は必要だ。原発解体過程で発生する高レベル放射性廃棄物もあるので、処分施設は不可欠だ」との立場を示した。 2051年頃までは永久処分施設を完成しなければならないということだ。公論化委員会は、少なくとも2020年までは永久処分施設の候補地となる地下研究所と処分前貯蔵施設が建設される地域を決めなければならないと勧告した。しかし、これは5年以内に事実上高レベル廃棄物を保管する地域を決定する必要がある計画で、実現可能性を疑問視する声もある。外国でも永久処分場については立地候補地域住民の反対が強く、これまで全世界でもフィンランドに1カ所が建設されただけだ。
16日、公論化委員会の主管で、国会で開かれた討論会では、永久処分施設の問題が大規模な社会的対立の火種となり得るという懸念の声と共に、現行の青写真の実現可能性が低いという指摘が相次いだ。討論者として参加したイ・ホンソク「エネルギー正義行動」代表は、「2020年までにわずか5年しか残っていない状況で、多くの社会的な対立と地質の特性などをすべて検討して敷地を確定することが、果たして可能なのか疑問であり、現実性を考えると、勧告には実効性はない」と指摘した。ホン・ドゥスン公論化委員長は「20カ月の公論化過程が短いといわれているが、いつまで公論化だけ行うわけにはいかない。この時点で公論化を終え、実行計画に移らなければならない」と述べた。公論化委員会は、今月中に勧告案を政府に提出する方針で、処分施設の青写真に対する最終決定は、政府が下す。
韓国語原文入力:2015-06-16 20:16