スパイ捜査など対共業務を担当する警察の保安捜査官が、外国出張中に業務遂行を口実に公金を遊興費に当てたという警察協力者の告発により、検察が捜査に着手した。
12日、仁川地方警察庁によれば、北朝鮮と接した中国のある国境都市に住むK氏は先月8日、仁川地検に仁川警察庁の保安捜査隊の職員が法に反し、警察官の身分に背く行動をしたとし、最近検察に告発状を出した。
K氏は国家保安法違反事犯に対する捜査に協力し、政府の予算で定期的に一定の謝礼費を受け取る警察協力者だった。
保安捜査官が昨年12月に中国出張に行き、K氏と接触した当時に接待女性のいる遊興酒場(別名KTV)で何度も酒を飲み、公金を引き出すためにK氏に中国現地の食堂領収書など偽領収書を要求しこれを渡したとK氏は主張した。
また「保安捜査官が『韓国に入国する時、中国でコピーの時計とカバンを買って来てほしい』といい、金銭を送金するなど現行法に違反する行為を勧めもした」と主張した。
K氏は先月、自身の監察に着手した警察に出頭し「保安捜査官が中国で確保したスパイ捜査の証拠をねつ造するよう要求した」という陳述もしたと伝えられた。
これに対して、中国出張に行ってきた仁川警察庁保安捜査官のうち一人は、主張は事実でないとして2日、K氏を虚偽告訴の疑いで告訴した。
この事件と関連して自主監察を行った仁川警察庁は「協力者K氏が『平壌(ピョンヤン)出身の従業員が働いている店を紹介する』と言って案内し、保安捜査官4人が昨年末に他の3件の事件捜査を兼ねて中国出張に行った際にK氏と接触し、北朝鮮の実状など情報収集のために遊興酒場に行ったことが確認された」と説明した。
遊興酒場でもK氏とその一行、女性ガイドが共に平壌出身の従業員と北朝鮮情勢把握のために飲食し簡単な対話をしたというのが警察の説明だ。
警察は保安捜査官が翌日にも北朝鮮出身従業員と再び会って、北朝鮮の実状に関する話を交わしたのも情報収集のためだったと明らかにした。
偽領収書を要求して公金を使った部分に関しては、協力者K氏に与えたプレゼント費用を公金で処理してもかまわないか分からずにしたことであり、規定上は公金処理が可能であることが確認されたため費用処理は実際に使った領収書で正常処理したと説明した。
仁川警察庁関係者は「K氏が業務処理の過程で問題が生ずると事実と異なる内容を大統領府の直訴の鐘(目安箱)に投稿し告訴したので、協力者K氏を虚偽告訴の疑いで検察に告発した」と明らかにした。
仁川地検はこの事件を公安部に割り振り、対共捜査官の業務上横領の疑いなどについて調査に着手した。